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訪問看護師として働きながらこの街の「生と死」を見つめつづけてきた著者による同時代の記録。写真約120点収録。

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978-4-7948-1276-6

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訪問看護師として働きながらこの街の「生と死」を見つめつづけてきた著者による同時代の記録。写真約120点収録

関連ワード
山谷をめぐる旅
タイトル
著者・編者・訳者
織田忍著
発行年月日
2024年 11月 8日
定価
2,640円
ISBN
ISBN978-4-7948-1276-6 
判型
四六判並製
頁数
272ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-織田忍(おだ・しのぶ)
1975年千葉県生まれ。短大卒業後、出版社などの勤務を経てフリー。2011年、看護専門学校に入学。現在、「訪問看護ステーション コスモス」の訪問看護師として、山谷エリアを中心に地域医療に従事。著書に『山谷への回廊 写真家・南條直子の記憶 1979‐1988』(2012年)など。

内容

 大阪釜ヶ崎、横浜寿町と並び、「日本三大寄せ場」の一つであった「山谷」。この地名は、東京都台東区清川・日本堤・橋場と荒川区南千住にまたがるエリアを指す通称としていまも使われているが、「山谷」という町名は現代の地図には見当たらない。1962年に施行された住居表示法によって、江戸期以来の住所表記が変更されることとなり、先の東京オリンピック直前の1966年に行政地名としての「山谷」は消えた。
 かつて山谷には、全国から仕事を求める日雇い労働者が集まり、ドヤ(簡易宿所)街が形成されていた。建設業を中心に、日本経済を支えてきたわけである。同時に、世間からの差別や偏見にさらされたこの街では、労働者の暴動が頻発した。言い換えるなら、圧倒的なフラストレーションの発散場でもあった。しかし、そんな熱い時代は終焉を迎え、いまやはっきりと過去のものになりつつある。
 ドヤは一気にマンションへと建て替えられ、ここ数年で街の風景が一変した。浄化され、「労働の街」から「福祉の街」に変わり、かつての活気は失われている。しかし、山谷という磁場は、現在も力尽きた者たちを引き寄せる。江戸の近郊エリアとして隆盛と衰退を繰り返しながらも、長きにわたりセーフティーネットとしての機能を担ってきた土地の底力が、いまも息づいているからなのだろう。
 本書では、街の歴史を辿りつつ、「山谷」という土地の宿命とそこに生きる人びとの闘いや思いを見つめていく。取材対象は、この街を舞台とするドキュメンタリー映画の関係者たち、「男たちの街」で呻吟した女性写真家、ケアや看取りを担う人びと、仕事おこしに努める企業組合、地元の寺のご住職などである。本書はまた、生きづらさや孤独感でつながるこの街で、訪問看護師として働く著者自身の「実録・山谷」でもある。
(おだ・しのぶ)>

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