瞬間の君臨
仮想空間が実体化する物理的根拠に迫り、「新しい知覚空間」と権力の関係を読み解く
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- 関連ワード
- 瞬間の君臨
- タイトル
- サブタイトル
- リアルタイム世界の構造と人間社会の行方
- 著者・編者・訳者
- ポ-ル・ヴィリリオ著
- 土屋 進訳
- 発行年月日
- 2003年 6月 20日
- 定価
- 2,640円
- ISBN
- ISBN4-7948-0598-5
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 236ページ
著者・編者・訳者紹介
ポ-ル・ヴィリリオ(Paul Virilio)
1932年パリ生まれ。現代の最先端の思想家。建築家として、1960年代に「不均衡」を建築に取り入れ、現代建築の刷新を図る。「内と外」との分離や、居住空間の静態化をもたらす近代建築に対し、「oblique (斜め)」の空間を作り出し、「動き」を促す新しい空間設計を推進する。フランス建築批評大賞を受賞したほか、建築大学の学長を務める。「68年 5月」には活動家として積極的に関与し、オデオン劇場の占拠に加わる。以降、思索に重点を移していく。空間設計の専門家として出発した彼は、「空間が壊れている」現実に直面し、それを「速度」という概念から解き明かしてゆく。そしてコミュニケーション社会という「光の速度」に到達した今日、「現実」がどのように再編成されるのかを、メディア、美術、文化、技術など幅広い文明批評の観点から解明している。主な著書に『速度と政治?地政学から時政学へ』(平凡社)、『情報化爆弾』(産業図書)、『情報エネルギー化社会』(新評論)など。
1932年パリ生まれ。現代の最先端の思想家。建築家として、1960年代に「不均衡」を建築に取り入れ、現代建築の刷新を図る。「内と外」との分離や、居住空間の静態化をもたらす近代建築に対し、「oblique (斜め)」の空間を作り出し、「動き」を促す新しい空間設計を推進する。フランス建築批評大賞を受賞したほか、建築大学の学長を務める。「68年 5月」には活動家として積極的に関与し、オデオン劇場の占拠に加わる。以降、思索に重点を移していく。空間設計の専門家として出発した彼は、「空間が壊れている」現実に直面し、それを「速度」という概念から解き明かしてゆく。そしてコミュニケーション社会という「光の速度」に到達した今日、「現実」がどのように再編成されるのかを、メディア、美術、文化、技術など幅広い文明批評の観点から解明している。主な著書に『速度と政治?地政学から時政学へ』(平凡社)、『情報化爆弾』(産業図書)、『情報エネルギー化社会』(新評論)など。
内 容
しばしば語られるグローバル化とは、そうした新しい技術を介して、人びとが、遠近法に代わる新たな知覚空間を受容するプロセスだとも言える。問題は、グローバル化がもたらす「知覚空間」を再編成するプロセスに、権力が介入し、新たな「知覚の政治学」を生み出している点にある。このことを鋭く抉りだしたのが本書である。
著者は本書で最新の物理学まで遡り、新しい物理学像そのものが旧来の遠近法を組み替えるものであることを明らかにしている。そして新しい物理学と結びついた情報技術が、「知覚」というインターフェイスを通して、人びとや社会や意識をどのように再編成しているのかを具体的に描き出す。こうした作業を進める中で、著者は「遠近法」の解体は、権力によるものでも、恣意的なものでもなく、実際には、新しい技術としての情報化に伴い、必然的に生まれるものだという驚くべき事実を明るみに出す。
しばしば語られるグローバル化とは、そうした新しい技術を介して、人びとが、遠近法に代わる新たな知覚空間を受容するプロセスだとも言える。問題は、グローバル化がもたらす「知覚空間」を再編成するプロセスに、権力が介入し、新たな「知覚の政治学」を生み出している点にある。
このことを鋭く抉り出したのが本書である。
著者は本書で最新の物理学まで遡り、新しい物理学像そのものが旧来の遠近法を組み替えるものであることを明らかにしている。そして新しい物理学と結びついた情報技術が、「知覚」というインターフェイスを通して、人びとや社会や意識をどのように再編成しているのかを具体的に描き出す。こうした作業を進める中で、著者は「遠近法」の解体は、権力によるものでも、恣意的なものでもなく、実際には、新しい技術としての情報化に伴い、必然的に生まれるものだという驚くべき事実を明るみに出す。
しばしば語られるグローバル化とは、そうした新しい技術を介して、人びとが、遠近法に代わる新たな知覚空間を受容するプロセスだとも言える。問題は、グローバル化がもたらす「知覚空間」を再編成するプロセスに、権力が介入し、新たな「知覚の政治学」を生み出している点にある。
このことを鋭く抉り出したのが本書である。