文明の衝突という欺瞞
蔓延する〈恐怖と敵意の政治学〉に抗う理論
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- 関連ワード
- 文明の衝突という欺瞞
- タイトル
- サブタイトル
- 暴力の連鎖を断ち切る永久平和論への回路
- 著者・編者・訳者
- マルク・クレポン著
- 白石嘉治編訳、(付論)桑田禮彰・出口雅敏・M.クレポン
- 発行年月日
- 2003年 12月 10日
- 定価
- 2,090円
- ISBN
- ISBN4-7948-0621-3
- 判型
- 四六判上製(詳細な訳注付)
- 頁数
- 228ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-マルク・クレポン
1962年生まれ。
現在、フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員。
ドイツ哲学研究を出発点に、言語とナショナリズムの関係に焦点を当てた研究に取り組む。
主著『精神の地理学?ライプニッツからヘーゲルにいたる国民性付与に関する覚え書き』(Payot、1996/未邦訳)など。
1962年生まれ。
現在、フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員。
ドイツ哲学研究を出発点に、言語とナショナリズムの関係に焦点を当てた研究に取り組む。
主著『精神の地理学?ライプニッツからヘーゲルにいたる国民性付与に関する覚え書き』(Payot、1996/未邦訳)など。
内 容
果たして「文明」とは「衝突」するものなのか。この問いを、私たちは真摯に考えてきただろうか。
「9.11」以降、アメリカの政治学者S.ハンチントンの「文明の衝突」論(同名の書物の発表は1996年)が、再び脚光を浴びている。この理論がアメリカの対イラク武力攻撃の正当化に援用されているように、テロの恐怖に脅えた世界は、このわかりやすい、安易な論理に飛びついた。
「文明の衝突」論は、文化本質主義(文化を自足した純粋なものと捉える立場)に立ち、「文明同士は互いに相容れず、必ず“衝突”する運命にある」と説く。この理論に従うなら、戦争が不可避のものとなってしまう。著者は、この破局的シナリオを、何らの信条とも切り離し、理論として徹底的に検討・批判する。状況への直截な介入の書であり、同時に、曖昧なままに使われている「文化」「文明」概念の再検討を含め、鋭い文明論ともなっている。
本論および3人の著者による付論(著者が日本語版のために特別寄稿した「文化と翻訳」、桑田禮彰「法・歴史・政治」、出口雅敏「文化の力の追求」)は、私たちがより困難が予想される今後の状況と対峙しつつ、ハンチントン流の詐術に抗い、真の平和へと向かう論理を構築するために、確かな視座を提供してくれるだろう。
「9.11」以降、アメリカの政治学者S.ハンチントンの「文明の衝突」論(同名の書物の発表は1996年)が、再び脚光を浴びている。この理論がアメリカの対イラク武力攻撃の正当化に援用されているように、テロの恐怖に脅えた世界は、このわかりやすい、安易な論理に飛びついた。
「文明の衝突」論は、文化本質主義(文化を自足した純粋なものと捉える立場)に立ち、「文明同士は互いに相容れず、必ず“衝突”する運命にある」と説く。この理論に従うなら、戦争が不可避のものとなってしまう。著者は、この破局的シナリオを、何らの信条とも切り離し、理論として徹底的に検討・批判する。状況への直截な介入の書であり、同時に、曖昧なままに使われている「文化」「文明」概念の再検討を含め、鋭い文明論ともなっている。
本論および3人の著者による付論(著者が日本語版のために特別寄稿した「文化と翻訳」、桑田禮彰「法・歴史・政治」、出口雅敏「文化の力の追求」)は、私たちがより困難が予想される今後の状況と対峙しつつ、ハンチントン流の詐術に抗い、真の平和へと向かう論理を構築するために、確かな視座を提供してくれるだろう。