もうひとつの学校
かつて子どもだったあなたに贈る懐かしのあの頃
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- 関連ワード
- もうひとつの学校
- タイトル
- サブタイトル
- ここに子どもの声がする
- 著者・編者・訳者
- 宮原洋一(写真・文)
- 発行年月日
- 2006年 10月 18日
- 定価
- 2,200円
- ISBN
- ISBN4-7948-0713-9
- 判型
- A5判並製
- 頁数
- 230(カラー口絵+写真多数掲載)ページ
著者・編者・訳者紹介
写真・文-宮原洋一(みやはら・よういち)
1941年生まれ。
1967年私立桐朋小学校に着任。
同校に37年間勤務し、現在フリーの写真家。
町のなかの子どもたちを撮り続け、新聞、雑誌などに発表。
フジフォトサロン、東京都児童会館等で個展を開く。
写真集『子供の風景』(串田孫一氏共著)がある。
1941年生まれ。
1967年私立桐朋小学校に着任。
同校に37年間勤務し、現在フリーの写真家。
町のなかの子どもたちを撮り続け、新聞、雑誌などに発表。
フジフォトサロン、東京都児童会館等で個展を開く。
写真集『子供の風景』(串田孫一氏共著)がある。
内 容
かつて子どもたちは、町のなかでよく遊んでいた。毎日、放課後を楽しみにしていた。どの町にも子どもたちのたまり場があって、そこへ行けば遊び仲間がいた。何をして遊ぶかは、いつもの顔ぶれが集まったところで決めたものだ。ことあそびについては、すべて自分たちで決めていたし、だからこそ工夫してあそぶ楽しさがそこにはいっぱいあった。あそび場は、子どもたちにとって、〈ものの見方、感じ方、考え方〉に学校よりも大きな影響を及ぼす、いわば「もうひとつの学校」であった。そして、「もうひとつの学校」は地域社会の懐のなかにあった。
この「学校」が地域社会とともに衰退してしまったことは、子どもたちの成長にとって重大な影響を及ぼすことになった。地域社会のなかでのあそびを通して仲間や大人たちと交わることによって、獲得してきた社会的な諸々の力が欠落してしまった。また、自由なあそびのなかで学びの原点である、創造することや工夫することの楽しさを経験することなしに多くの若者が社会に出ていくことになった。
本書では、1969(昭和44)年から1972(昭和47)年にかけての「もうひとつの学校」の子どもたちを訪ねる。200枚以上の写真とコメントによって、先に述べたことが子どもたち、ひいては社会にとっていかにかけがえのないものであったかをたどってみることにした。主な撮影地は、東京都内各地、川崎市などである。
折しも、この昭和の時代がクローズアップされている。そこには地域社会における人間関係の温もりがあったからだろう。だが、そのこととともに子どもたちにとっては、町のなかでの仲間とのあそびやそうした地域社会そのものが生きた学びの場であったことを、いまこそ再評価しなければならないだろう。