「農」と「モノづくり」の中山間地域
「農」・「食」を軸とした中山間・流域の産業モデルを全国に発信!
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- 関連ワード
- 「農」と「モノづくり」の中山間地域
- タイトル
- サブタイトル
- 島根県高津川流域の「暮らし」と「産業」
- 著者・編者・訳者
- 関満博・松永桂子編
- 発行年月日
- 2010年 10月 5日
- 定価
- 6,600円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-0848-6
- 判型
- A5判上製
- 頁数
- 672ページ
著者・編者・訳者紹介
編者-関満博(せき・みつひろ)-
1948年生まれ。
一橋大学大学院商学研究科教授。
『地域産業の「現場」を行く』(既刊1〜3集)、『「農」と「食」の農商工連携』他。
松永桂子(まつなが・けいこ)-
1975年生まれ。
島根県立大学総合政策学部准教授。
共著『「縮小」時代の産業集積』(創風社)、共編著『中山間地域の「自立」と農商工連携』他。
1948年生まれ。
一橋大学大学院商学研究科教授。
『地域産業の「現場」を行く』(既刊1〜3集)、『「農」と「食」の農商工連携』他。
松永桂子(まつなが・けいこ)-
1975年生まれ。
島根県立大学総合政策学部准教授。
共著『「縮小」時代の産業集積』(創風社)、共編著『中山間地域の「自立」と農商工連携』他。
内 容
島根県最奥の地、高津川流域。そのさらに最奥に位置する旧柿木村(かきのきむら、合併後は吉賀町、ただし柿木村の村名は残っている)は、30年をかけて有機農業に取り組んできた。地元の農家の高齢の人びとに勇気を与え、さらに下流域の人びとに有機野菜を届け、深い交流を重ねている。自然の循環過程、あるいは国土保全の意味における「流域」という概念は了解していたつもりであったが、高津川流域ではそれが、「産業」「人びとの暮らし」という観点からみてより深い連携と循環を含意するものとなっていた。
日本有数の清流として知られる高津川は中国山地を源流とし、延長81キロで日本海に注ぐ。その流域に約68000人の人びとが暮らしている。かつては中国山地の豊かな森林資源が伐り出され、河川を通じて益田地域に運ばれていた。高津川流域ではいまも人口減少、高齢化が続いているが、にもかかわらずアチコチで興味深い動きが続々と生じている。奥深い集落で高齢の女性が起業するなど、「農」と「食」の周辺領域で新たなうねりが起こり始めているのである。そして、そこには必ず素敵な人びとがいる。人と人がつながり、高津川流域は新たな時を迎えている。条件不利の逆境が、むしろ人びとの「思い」を深め、新たなエネルギーを蓄えさせているかのようである。
以上のような点を注視し、本書は高津川流域の全体を視野に入れ、「中山間地域」や「流域圏」における「自立」と「連携」のあり方を論じていく。日本の辺境の最後尾とされる島根県。その最奥の高津川流域で人びとは輝き、「未来」に向かっていた。閉塞感の中にある日本も、ここから変わっていくのではないかと思わせるものがあった。
(編者 関 満博)
日本有数の清流として知られる高津川は中国山地を源流とし、延長81キロで日本海に注ぐ。その流域に約68000人の人びとが暮らしている。かつては中国山地の豊かな森林資源が伐り出され、河川を通じて益田地域に運ばれていた。高津川流域ではいまも人口減少、高齢化が続いているが、にもかかわらずアチコチで興味深い動きが続々と生じている。奥深い集落で高齢の女性が起業するなど、「農」と「食」の周辺領域で新たなうねりが起こり始めているのである。そして、そこには必ず素敵な人びとがいる。人と人がつながり、高津川流域は新たな時を迎えている。条件不利の逆境が、むしろ人びとの「思い」を深め、新たなエネルギーを蓄えさせているかのようである。
以上のような点を注視し、本書は高津川流域の全体を視野に入れ、「中山間地域」や「流域圏」における「自立」と「連携」のあり方を論じていく。日本の辺境の最後尾とされる島根県。その最奥の高津川流域で人びとは輝き、「未来」に向かっていた。閉塞感の中にある日本も、ここから変わっていくのではないかと思わせるものがあった。
(編者 関 満博)