豊かな自然資源、東アジアの中心的な位置。本土復帰40年を迎え新たな方向へ向かう沖縄の「現場」から、地域産業の未来を展望。

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関連ワード
沖縄地域産業の未来
タイトル
著者・編者・訳者
関満博編
発行年月日
2012年 8月 20日
定価
5,830円
ISBN
ISBN978-4-7948-0911-7 
判型
A5判上製
頁数
432ページ

著者・編者・訳者紹介

編者-関満博(せき・みつひろ)-
1948年生まれ。
明星大学経済学部教授、一橋大学名誉教授。博士(経済学)。岩手県東日本大震災津波からの復興に係る専門委員などを務める。主著『東日本大震災と地域産業復興Ⅰ』『「農」と「食」の農商工連携』の他、『震災復興と地域産業 Ⅰ』など編著書多数。

内 容

 1972年5月の沖縄の「本土復帰」から数え、2012年は満40年を迎える。復帰当時から、沖縄経済についてはその特質として「基地依存型輸入経済」「第三次産業の異常な肥大化」、および貿易収支のアンバランスを基地収入で補填する「特異な対外収支構造」が指摘されてきた。そして復帰後、ハード面のインフラは大幅に改善されたものの、経済の基本構造は大きく変わってはいない。
 戦後、経済発展を実現した日本は、71年のニクソンショック、85年のプラザ合意以降、急速な円高の中にある。この間、90年代の初めにバブル経済の崩壊を経験し、日本産業全体が大きな構造転換期に入っている。そのような時代、むしろ、沖縄は新たな可能性を見出しつつあるのではないかと思う。豊かな自然資源の存在、東アジアの中心的な位置にあることから醸成された人びとの意識が、この時代に新たな意味を帯び始めている。そして、改めて沖縄をのぞいてみると、人口減少社会に入っているはずの日本の中で、ほとんど唯一人口を増大させ、一人あたりの県民所得を徐々に上昇させていたのであった。
 沖縄の地域産業は明らかに「新たな時」を迎えつつある。戦後60年続いた大量生産・大量消費・大量輸出・大量廃棄に基づく発展モデルは終焉し、私たちは新たな仕組みを作り上げていくべき時代の中にいる。そのような状況のもと、私たちは、地道に挑戦を積み重ねている沖縄の地域産業の現場から、来るべき「未来」を予感していくことになろう。本書ではこうした点に注目し、本土復帰40年を迎え新たな方向に向かう沖縄の地域産業化の取り組みと可能性を、「現場」から論じていくことにする。(編者 関 満博)

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