かつて製鉄城下町として栄えた釜石のまち。人口減少、震災の重い課題を希望の力に変える多彩な取り組みを「モデル」として提示!

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関連ワード
震災復興と地域産業2
タイトル
サブタイトル
産業創造に向かう「釜石モデル」
著者・編者・訳者
関満博編
発行年月日
2013年 2月 22日
定価
2,750円
ISBN
ISBN978-4-7948-0932-2 
判型
四六判並製
頁数
264ページ

著者・編者・訳者紹介

執筆者(執筆順):新張英明、山本 健、山藤竜太郎、松永桂子、姜雪潔、遠山浩、橘川武郎

編者-関満博(せき・みつひろ)-
1948年生まれ。
明星大学経済学部教授、一橋大学名誉教授。博士(経済学)。
単著に『東日本大震災と地域産業復興Ⅰ・Ⅱ』『地域産業の「現場」を行く』1〜6集、編著に『沖縄地域産業の未来』『道の駅/地域産業振興と交流の拠点』など。

内 容

 岩手県釜石市は日本近代製鉄業の発祥の地の一つとされ、新日本製鐵釜石製鐵所の企業城下町として知られていた。60年代までは釜石製鐵所の従業員は約8000人を数え、釜石は東北の代表的な工業都市として繁栄、人口も9万人を超えていた。だが、89年に釜石製鐵所の高炉が休止され、以後、線材工場と火力発電所のみとなったために、従業員数は250人前後にまで減少している。これに伴い釜石市の人口も激減し、このたびの震災直前の2010年には4万人を割ったとして注目されていた。そのような時期に東日本大震災による大津波が釜石のまちを襲う。そして、それからおよそ2年が経過している。
 瓦礫の処理は相当に進み、仮設住宅、仮設商店街も形成され、また、復旧に対して投資額の4分の3を補助するという国の「グループ補助金」により、多くの中小企業は再建に向かっていた。ただし、人口減少の中で、この先どのようなまちを作っていくのか、その支えとなる地域の産業をどのようにしていくのか、いまだ課題は多い。むしろ被災から2年を経て、人口減少、就業者の減少はまちの課題としていっそう強く浮上しているといえる。復旧した中小企業は人手不足、高齢化に直面している。人がいなければ産業は起きない。また、産業がなければ人は暮らしていけない。そのような中で、復旧・復興が急がれている。それは人口減少、高齢化に向かう日本の「未来」を象徴しているようにもみえる。
 このような点を意識しながら、本書は、被災後2年を経過した釜石の地域産業について、多方面の角度から検討を重ね、地域と産業、中小企業の今後のあり方を考えていく。振り返るまでもなく、今回の震災による被災は広く、深い。また、地域により被災の程度と質も異なる。いずれの地域も復旧・復興に向けて必死の取り組みを重ねている。その先行きは、日本全体の「未来」を指し示しているようにみえる。(編者 関 満博)

『震災復興と地域産業1-東日本大震災の「現場」から立ち上がる』(関満博編 )[ISBN978-4-7948-0895-0]震災復興と地域産業1
東日本大震災の「現場」から立ち上がる

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