人生という限りある時間のなかから永遠を見つけようとする青年
旅するイラストレーター“キンシオ”の原点にして若き日の名作が、再編集・イラスト完全描き下ろしでよみがえる!
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- 関連ワード
- 人生という限りある時間のなかから永遠を見つけようとする青年
- タイトル
- 著者・編者・訳者
- キン・シオタニ/文と絵
- 発行年月日
- 2013年 3月 22日
- 定価
- 1,980円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-0936-0
- 判型
- A5判上製
- 頁数
- 160ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-キン・シオタニ
イラストレーター。学生時代は貧乏旅行にあけくれる。1995年に発表されたポストカード「長い題名シリーズ」で注目され、以降、多くのメディアにイラストや文章を提供。現在tvk他で『キンシオ』という散歩番組に出演中。
イラストレーター。学生時代は貧乏旅行にあけくれる。1995年に発表されたポストカード「長い題名シリーズ」で注目され、以降、多くのメディアにイラストや文章を提供。現在tvk他で『キンシオ』という散歩番組に出演中。
内 容
「この本、今出したらどうや?」と、高田馬場の中華料理屋で新評論の編集者に言われたとき、僕は急に顔が赤くなった。僕はそれを飲めないビールのせいにしたが、そうではなく、当時の青かった自分自身を思い出したのだ。その本とは、僕が10年以上も前に出した『目を閉じればすべてが見える』と『だから?』という2冊の散文・詩画集で、当時28、9歳の僕はまだ人生に対してもがいていたときである。そのころ、僕は主に吉祥寺の井の頭公園や雑貨屋さんで絵はがきを売っていた。たまに売れない本を出し、表現者としての自分に明日も見えない生活を送り、人生に対してネガティブで厭世的でもあった。それでいて、アーティストとしてメディアに入っていかなければならないと思っていたから、自分のなかでの矛盾はさらに我が身を追い込むことになった。それから10年あまりが過ぎ、40代になった僕はありがたいことに表現活動を続けている。ここ数年は、イラストの仕事に加えて、人前でイラストパフォーマンスをしたり、テレビで喋ったりすることも多くなった。明日が見えるというわけではないが、今の自分の仕事にはある程度「やりたいことはできている」という満足感をもっている。簡単に言うと、この10年で世の中が好きになった。自分が受け入れられたから好きになったのか、好きになったから受け入れられたのかは分からない。でも、当時の哲学的で厭世的な自分の時代があったから、今の表現にある程度の深さ(自分なりに)があるのだとも思っている。人は、そういう時代を通るべきだ。だから、当時の気持ちを赤裸々に綴ったこの本を、今を生きる当時の僕のような人たちに是非読んでもらいたい。
(キン・シオタニ)
(キン・シオタニ)