深い霊性と激しい想像力によって「20世紀最大の短編小説家」と呼ばれたオコナー。その故郷への旅を通して創作の原点に迫る。

978-4-7948-1011-3

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深い霊性と激しい想像力によって「20世紀最大の短編小説家」と呼ばれたオコナー。その故郷への旅を通して創作の原点に迫る。

関連ワード
フラナリー・オコナーのジョージア
タイトル
サブタイトル
20世紀最大の短編小説家を育んだ恵みの地
著者・編者・訳者
サラ・ゴードン著 クレイグ・アマソン 編集相談 マーセリーナ・マーティン 写真
 
田中浩司訳
発行年月日
2015年 5月 28日
定価
2,640円
ISBN
ISBN978-4-7948-1011-3 C0098
判型
四六判並製
頁数
224ページ

著者・編者・訳者紹介

フラナリー・オコナー(Flannery O'Connor)[1925-64]-
アメリカの作家。プロテスタント主流のジョージア州で終生カトリックとして生き、創作と人生の両面において神の真理を追求し続けた。O・ヘンリー賞(3回)、全米図書賞(没後)を受賞。32の短編小説、二つの長編小説などがある。

著者-サラ・ゴードン(Sarah GORDON)-
フラナリー・オコナー・アンダルシア財団理事、ジョージア・カレッジ州立大学名誉教授(英語英文学)。長年にわたり、世界的に名高い「フラナリー・オコナー・シンポジウム」の座長を務め、研究紀要『フラナリー・オコナー・ブレティン』などの編集に携わる。オコナー研究の第一人者の一人。

内容

『フラナリー・オコナーとの和やかな日々』に続いて、オコナー関連の翻訳をお届けする。原著の裏表紙に書かれたキャッチフレーズの通り、「深い霊性と激しい想像力をもつ作家を取り巻く物質界」=アメリカ合衆国ジョージア州への文学的ガイドブックである。ジョージアはオコナーの故郷であり、発病後の「幽閉の地」でもあった。オコナーはニューヨークで作家として活躍し始めたばかりの二五歳で、父の命を奪ったのと同じ全身性エリテマトーデスという難病にかかった。そしてその後の人生を故郷ジョージアで過ごすことを余儀なくされたのである。都会での活躍の機会を失い、肉体的・地理的・社会的制約を受けながら田舎に引きこもることになり、作家としての夢は一度は断たれたかに見えた。しかし、オコナーは自らに課せられた幾多の制約を厭うことなく、むしろ神から与えられた「最高の恵み」と考え、その後の創作の原点・機動力としていった。またオコナーは、かつて奴隷制度を有し、南北戦争に負けたアメリカ南部が、「堕ちるという経験に加えて、それを解釈する手段も持っていたから、二重に恵まれたというべきである」(上杉明訳『秘義と習俗』春秋社、58頁)ことに気付く。幼少期のオコナーを温かく育んだ故郷ジョージア、都会から帰還し死に至るまでの彼女が作家として過ごしたジョージア、歴史に深い傷跡をもち、彼女にたくさんのイマジネーションを与えたジョージアを、作品鑑賞を絡めながら紹介するものである。本書によって、フラナリー・オコナーという一人の女性作家がジョージアのどのような歴史と環境のなかに生まれ育ち、「20世紀最大の短編小説家の1人」と呼ばれるまでに成長したのかを知り、作家が大切にしていた「場所の感覚」を感じ取るための一助となることを願う。懇切な注を付すことで、「オコナーの故郷ジョージア」を旅する際のガイドブックとしての用途にも配慮した。
(訳者 田中 浩司)

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