空前の外食海外進出ブームの実態を精緻な調査で分析解明し、国際化の「新しい越境のかたち」が持つ可能性と課題を探る。
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空前の外食海外進出ブームの実態を精緻な調査で分析解明し、国際化の「新しい越境のかたち」が持つ可能性と課題を探る。
- 関連ワード
- 外食国際化のダイナミズム
- タイトル
- サブタイトル
- 新しい「越境のかたち」
- 著者・編者・訳者
- 川端基夫著
- 発行年月日
- 2016年 1月 21日
- 定価
- 3,080円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1026-7 C0033
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 314ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-川端基夫(かわばた・もとお)
1956年生まれ。関西学院大学商学部教授。博士(経済学)。専門は国際流通論。『アジア市場を拓く』(アジア太平洋賞特別賞)、『日本企業の国際フランチャイジング』(日本商業学会賞優秀賞)、『小売業の海外進出と戦略』(日本商業学会賞奨励賞)など。
1956年生まれ。関西学院大学商学部教授。博士(経済学)。専門は国際流通論。『アジア市場を拓く』(アジア太平洋賞特別賞)、『日本企業の国際フランチャイジング』(日本商業学会賞優秀賞)、『小売業の海外進出と戦略』(日本商業学会賞奨励賞)など。
内容
空前の外食海外進出ブームの実態を精緻な調査で分析解明し、国際化の「新しい越境のかたち」が持つ可能性と課題を探る。
近年、海外に進出する外食店が急増している。大手チェーンだけでなく、まだ国内に一、二店舗しかない近所のラーメン店も、香港やシンガポールに店を出す時代になっている。筆者の調査によると、戦後の外食業の海外進出は、二〇一四年末までで何と一四〇〇件以上にも達する。驚くべきことは、その半数近くが、二〇一〇〜一四年までの五年間の進出であったことだ。今まさに、空前の海外進出ブームが起きているといえよう。進出先は、七割以上がアジア地域である。最近では、カンボジアやミャンマー、ラオスへの進出も見られる。業種を見ると、ラーメン店がトップで、居酒屋・定食屋・和食店がそれに続いている。うどん店や焼肉店も増えている。他方、伝統的な高級日本料理店の進出は減少している。今、海外では「大衆的な和食」が人気となっているのである。このような外食業の国際化は、小零細企業が多いことが特徴となっており、その点が製造業による進出とは異なる。外食産業においては、肩肘張らずに、気軽に海外の消費者を相手に商売ができる時代になったのである。では、なぜ資金も人材も制限された外食業が海外に進出できるのであろうか。その秘密は、海外でのサポーティング・インダストリー(支援産業)の増大と、フランチャイジングという進出手法の普及にある。その結果、個人経営のラーメン店が容易に海外に出店できる状況が生まれている。これは、まさに「新しい越境のかたち」の出現に他ならない。本書は、海外に進出した多くの外食企業のヒヤリング調査を通して、国際化の現場で生じている大きな変化を明らかにし、それが有する可能性と課題を検討したものである。
(かわばた・もとお)
近年、海外に進出する外食店が急増している。大手チェーンだけでなく、まだ国内に一、二店舗しかない近所のラーメン店も、香港やシンガポールに店を出す時代になっている。筆者の調査によると、戦後の外食業の海外進出は、二〇一四年末までで何と一四〇〇件以上にも達する。驚くべきことは、その半数近くが、二〇一〇〜一四年までの五年間の進出であったことだ。今まさに、空前の海外進出ブームが起きているといえよう。進出先は、七割以上がアジア地域である。最近では、カンボジアやミャンマー、ラオスへの進出も見られる。業種を見ると、ラーメン店がトップで、居酒屋・定食屋・和食店がそれに続いている。うどん店や焼肉店も増えている。他方、伝統的な高級日本料理店の進出は減少している。今、海外では「大衆的な和食」が人気となっているのである。このような外食業の国際化は、小零細企業が多いことが特徴となっており、その点が製造業による進出とは異なる。外食産業においては、肩肘張らずに、気軽に海外の消費者を相手に商売ができる時代になったのである。では、なぜ資金も人材も制限された外食業が海外に進出できるのであろうか。その秘密は、海外でのサポーティング・インダストリー(支援産業)の増大と、フランチャイジングという進出手法の普及にある。その結果、個人経営のラーメン店が容易に海外に出店できる状況が生まれている。これは、まさに「新しい越境のかたち」の出現に他ならない。本書は、海外に進出した多くの外食企業のヒヤリング調査を通して、国際化の現場で生じている大きな変化を明らかにし、それが有する可能性と課題を検討したものである。
(かわばた・もとお)