授業のあり方が変わり、生徒の学びの「質」と「量」が飛躍的に伸びる「責任の移行モデル」四つの要素を紹介!
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授業のあり方が変わり、生徒の学びの「質」と「量」が飛躍的に伸びる「責任の移行モデル」四つの要素を紹介!
- 関連ワード
- 「学びの責任」は誰にあるのか 「責任の移行モデル」で授業が変わる
- タイトル
- サブタイトル
- 「責任の移行モデル」で授業が変わる
- 著者・編者・訳者
- ダグラス・フィッシャー&ナンシー・フレイ著/吉田新一郎訳
- 発行年月日
- 2017年 11月 17日
- 定価
- 2,420円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1080-9 C0037
- 判型
- 四六判並製
- 頁数
- 288ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-Douglas FisherとNancy Freyは、共にサンディエゴ州立大学の教授であり、保健衛生科学の特化したチャーター・スクール(高校)において教師のリーダー(校長)を務めている。チャーター・スクールは「hshmc.org」で検索してください。
内容
最初の10年ぐらい、私も講義形式で教えていました。次の10年はワークショップ形式でした。その最後の頃、講義形式に抱いた疑問と同じような感覚を、ワークショップ形式で行う研修のあり方にも持ちはじめました。
学ぶ側はもちろん、教える側も学び続けられるという、みんなが自立した学び手になる教え方・学び方はないのかと模索しはじめたのは1995年以降でした。5年以上かけて探しだしたものの一つが、本書で紹介している「責任の移行モデル」です。
本書の柱になっている、教師から学習者への責任の移行は、①教師が焦点を絞った講義をしたり、見本を示したりする(焦点を絞った指導)、②教師がサポートしながら生徒たちが練習する(教師がガイドする指導)、③生徒たちが協力しながら問題解決や話し合いをする(協働学習)、④生徒は個別に自分が分かっていることやできることを示す(個別学習)、といった四つの段階で表すことができます。
注意していただきたいのは、これらは①から④へと順番に行うものでも、常にクラス全員を対象に、同じ段階の活動をさせるのでもないということです。たとえば、②番目の「教師がガイドする指導」をするためには、「①焦点を絞った指導」が終わっていることが前提となりますが、同時にまた、クラスの大半の生徒が「③協働学習」か「④個別学習」に取り組んでいることも前提となります。そうでないと、教師は少人数(2〜6人)の生徒たちを集めて、10〜15分の「教師がガイドする指導」を行うことはできませんから。
本書ではこれら四つの要素を、異なる教科の例をふんだんに挙げながら分かりやすく解説しています。教師を含めた大人たちが、この四つの要素を身につけることができれば、授業や研修のあり方が変わるので、生徒や受講者の学びの「質」と「量」が飛躍的に伸びることは間違いありません。
(よしだ・しんいちろう)
学ぶ側はもちろん、教える側も学び続けられるという、みんなが自立した学び手になる教え方・学び方はないのかと模索しはじめたのは1995年以降でした。5年以上かけて探しだしたものの一つが、本書で紹介している「責任の移行モデル」です。
本書の柱になっている、教師から学習者への責任の移行は、①教師が焦点を絞った講義をしたり、見本を示したりする(焦点を絞った指導)、②教師がサポートしながら生徒たちが練習する(教師がガイドする指導)、③生徒たちが協力しながら問題解決や話し合いをする(協働学習)、④生徒は個別に自分が分かっていることやできることを示す(個別学習)、といった四つの段階で表すことができます。
注意していただきたいのは、これらは①から④へと順番に行うものでも、常にクラス全員を対象に、同じ段階の活動をさせるのでもないということです。たとえば、②番目の「教師がガイドする指導」をするためには、「①焦点を絞った指導」が終わっていることが前提となりますが、同時にまた、クラスの大半の生徒が「③協働学習」か「④個別学習」に取り組んでいることも前提となります。そうでないと、教師は少人数(2〜6人)の生徒たちを集めて、10〜15分の「教師がガイドする指導」を行うことはできませんから。
本書ではこれら四つの要素を、異なる教科の例をふんだんに挙げながら分かりやすく解説しています。教師を含めた大人たちが、この四つの要素を身につけることができれば、授業や研修のあり方が変わるので、生徒や受講者の学びの「質」と「量」が飛躍的に伸びることは間違いありません。
(よしだ・しんいちろう)
目次
訳者まえがき i
責任の移行 5
訳者コラム 「責任の移行」の裏付けとなる理論 6
焦点を絞った指導 10
教師がガイドする指導 13
訳者コラム 形成的評価 14
訳者コラム 二〇分間の教師がガイドする指導 14
協働学習 17
訳者コラム アイディアないし概念(コンセプト) 22
個別学習 22
学びが起こらない/定着しない理由 24
責任の移行モデルの大切さが受け入れられると…… 28
まとめ 34
訳者コラム 足場 37
焦点を絞った指導を省略してしまうという愚行 41
焦点を絞った指導の重要な特徴 44
目的を設定すること 44
見本を示すことと実演してみせること 47
訳者コラム 見本を示す 50
考え聞かせをすること 54
気づくこと 60
焦点を絞った指導の間に行う形成的評価 66
まとめ 70
教師がガイドする指導の主な特徴 74
質問 74
ヒント 77
指示 81
直接的な説明 83
教師がガイドする指導の実践例 85
ガイド読み 86
ガイド書き 90
生徒の考え聞かせを中心に据えた場合 95
精読を使った場合 98
誤解の分析を通した場合 104
一人ひとりをいかす形で行う場合 107
教師がガイドする指導中に行う形成的評価 111
まとめ 116
訳者コラム 「学びの責任」をとりはじめる 120
協働学習の必要性 120
訳者コラム 「ソフトスキル」と「ハードスキル」 123
協働学習における重要な特徴 125
基本的なグループワーク――情報を共有し、考えをやり取りする 132
基本的なグループワークのなかでの「教師がガイドする指導」 137
建設的なグループワーク――問題を解決したり、解決法を明らかにしたりする 140
生徒が知っているべき建設的なグループワークの四つの方法 141
話し合いの円卓 141
協働して作成するポスター 144
互いに教え合う 145
ジグゾー 150
建設的なグループワークを促すその他の方法 154
ブッククラブ 155
実験とシミュレーション 163
協働学習の間に行われる「教師がガイドする指導」 169
協働学習の間に行われる形成的評価 171
まとめ 173
個別学習の特徴 178
メタ認知 179
自己調整 183
学校での個別学習 186
学校外での個別学習 190
宿題 191
ブレンディッド・ラーニング 198
個別学習における教師の役割 204
訳者コラム 奇跡のレッスン 205
フィードバックの種類 208
フィードバックの基準 210
個別学習の段階における形成的評価 215
「思い違い」と「間違い」の違いを理解する 217
間違いの跡をたどり、そのパターンを把握する 218
限定した間違いと広範囲の間違いを見分ける(そして、教え方に修正を施す) 219
訳者コラム 教える内容の幅 221
まとめ 221
責任の移行モデルは、他の研究で立証済みの方法と一貫性がある 224
一人ひとりをいかす教え方と責任の移行モデル 225
理解をもたらすカリキュラム設計と責任の移行モデル 227
訳者コラム 理解をもたらすカリキュラム設計 228
形成的評価と責任の移行モデル 229
責任の移行モデルで計画する 233
学校のリーダーが責任の移行モデルに求めるべきもの 245
教師が問うべき質問 251
訳者コラム 教える時間と管理する時間 255
まとめ 258
訳注で紹介した日本語文献リスト 261
参考文献一覧 272
第1章 学校で学ぶこと、あるいは学ばないこと 3
責任の移行 5
訳者コラム 「責任の移行」の裏付けとなる理論 6
焦点を絞った指導 10
教師がガイドする指導 13
訳者コラム 形成的評価 14
訳者コラム 二〇分間の教師がガイドする指導 14
協働学習 17
訳者コラム アイディアないし概念(コンセプト) 22
個別学習 22
学びが起こらない/定着しない理由 24
責任の移行モデルの大切さが受け入れられると…… 28
まとめ 34
第2章 焦点を絞った指導――目的、見本を示すこと、考え聞かせ、気づくこと 35
訳者コラム 足場 37
焦点を絞った指導を省略してしまうという愚行 41
焦点を絞った指導の重要な特徴 44
目的を設定すること 44
見本を示すことと実演してみせること 47
訳者コラム 見本を示す 50
考え聞かせをすること 54
気づくこと 60
焦点を絞った指導の間に行う形成的評価 66
まとめ 70
第3章 教師がガイドする指導――質問、ヒント、指示 71
教師がガイドする指導の主な特徴 74
質問 74
ヒント 77
指示 81
直接的な説明 83
教師がガイドする指導の実践例 85
ガイド読み 86
ガイド書き 90
生徒の考え聞かせを中心に据えた場合 95
精読を使った場合 98
誤解の分析を通した場合 104
一人ひとりをいかす形で行う場合 107
教師がガイドする指導中に行う形成的評価 111
まとめ 116
第4章 協働学習――クラスメイトと協力し合って思考をより強固なものにする 119
訳者コラム 「学びの責任」をとりはじめる 120
協働学習の必要性 120
訳者コラム 「ソフトスキル」と「ハードスキル」 123
協働学習における重要な特徴 125
基本的なグループワーク――情報を共有し、考えをやり取りする 132
基本的なグループワークのなかでの「教師がガイドする指導」 137
建設的なグループワーク――問題を解決したり、解決法を明らかにしたりする 140
生徒が知っているべき建設的なグループワークの四つの方法 141
話し合いの円卓 141
協働して作成するポスター 144
互いに教え合う 145
ジグゾー 150
建設的なグループワークを促すその他の方法 154
ブッククラブ 155
実験とシミュレーション 163
協働学習の間に行われる「教師がガイドする指導」 169
協働学習の間に行われる形成的評価 171
まとめ 173
第5章 個別学習――教えられたことを応用する 175
個別学習の特徴 178
メタ認知 179
自己調整 183
学校での個別学習 186
学校外での個別学習 190
宿題 191
ブレンディッド・ラーニング 198
個別学習における教師の役割 204
訳者コラム 奇跡のレッスン 205
フィードバックの種類 208
フィードバックの基準 210
個別学習の段階における形成的評価 215
「思い違い」と「間違い」の違いを理解する 217
間違いの跡をたどり、そのパターンを把握する 218
限定した間違いと広範囲の間違いを見分ける(そして、教え方に修正を施す) 219
訳者コラム 教える内容の幅 221
まとめ 221
第6章 責任移行モデルを実践する 223
責任の移行モデルは、他の研究で立証済みの方法と一貫性がある 224
一人ひとりをいかす教え方と責任の移行モデル 225
理解をもたらすカリキュラム設計と責任の移行モデル 227
訳者コラム 理解をもたらすカリキュラム設計 228
形成的評価と責任の移行モデル 229
責任の移行モデルで計画する 233
学校のリーダーが責任の移行モデルに求めるべきもの 245
教師が問うべき質問 251
訳者コラム 教える時間と管理する時間 255
まとめ 258
訳注で紹介した日本語文献リスト 261
参考文献一覧 272