動物たちの「地政学」や「共存の論理」が人類に呼びかけるもの。私たちの視線と行動を大切なほうへと向き直させてくれる5つの「追跡」の物語
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動物たちの「地政学」や「共存の論理」が人類に呼びかけるもの。私たちの視線と行動を大切なほうへと向き直させてくれる5つの「追跡」の物語
- 関連ワード
- 動物の足跡を追って
- タイトル
- 著者・編者・訳者
- バティスト・モリゾ著/丸山亮訳
- 発行年月日
- 2022年 10月 24日
- 定価
- 2,640円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1220-9 C0036
- 判型
- 四六判並製
- 頁数
- 254ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-Baptiste MORIZOT(バティスト・モリゾ)
1983年生まれ、フランスの哲学者。
エクス=マルセイユ大学にて哲学科の准教授を務める。
人間と他の生物の関係について、フィールドワークに基づいた研究を行っている。
著者に『生物の熾火をかきたてる』、『生物の存在のしかた』(いずれも未邦訳)などがある。
1983年生まれ、フランスの哲学者。
エクス=マルセイユ大学にて哲学科の准教授を務める。
人間と他の生物の関係について、フィールドワークに基づいた研究を行っている。
著者に『生物の熾火をかきたてる』、『生物の存在のしかた』(いずれも未邦訳)などがある。
内容
南仏の放牧地に突如襲来した狼、アメリカのイエローストーン国立公園に生息する灰色熊(グリズリー)、キルギスの山頂付近に棲むユキヒョウ……手探りで獣道を進み、崖沿いの険路を踏み越えながら、南仏出身の哲学者バティスト・モリゾは、野生動物を「追跡」する。そのたくましい体つきは、哲学者というよりも探検家を思わせる。
本書は、著者が経験した5つの追跡の物語を巡る作品だ。追跡という言葉が表す通り、道しるべとなるのは動物が残した痕跡である。モリゾは足跡の形や糞の状態をもとに、動物の行動を思い描く。この動物はこの地でどのように暮らしているのか。この動物は他の生物とどのように共存しているのか。モリゾは動物の論理を学び、その行動の意図を理解し、動物が知覚しているものを突き止めようとする。追跡は徐々に、動物の世界を理解しようとする哲学的な思索へと移行していく。
モリゾが疑問に付すのは、西欧的な「自然」の概念だ。西欧的な自然観は、生物を自然という言葉でひとくくりにし、意志を持たない受動的な存在とみなしている。ところがモリゾが実際に出会う動物たちは、強大な捕食者からミミズに至るまで、実に多様な方法で棲み家を築いている。モリゾはそのような出会いから、西欧の自然主義的な世界観と決別し、生物との関係性に富んだアニミズム的世界観を構築しようと試みる。生物と同じ地平に立ち、共存のための外交関係を築くことはできないかと問いかける。追跡の物語を通して、人間と他の生物との関係性や、生物としての人間のあり方が語られていく。
交互に織り込まれた追跡の物語と思索は、見事な一枚絵をなしている。冒険譚としても哲学書としても楽しめる、世界の見方を一変させてくれる作品。
(まるやま・りょう 仏翻訳家)
*冒頭11頁まで別ウィンドウにビューアーが表示されます。
──『動物の足跡を追って』の著者、バティスト・モリゾも出演!
リヨンのENSでアグレガシオンと哲学の博士号を取得。
研究テーマは個性化の理論と科学的発明の認識論。
エクス=マルセイユ大学で講師を務め、
人間と生物の関係を研究している。
「追跡する哲学者」として、
可能な限り現場に出かけることを心がけている。
(ユナイテッド・ピープルの『動物の足跡を追って』の紹介文より)
「僕たちは絶滅するの?
地球上の生命の「6度目の大量絶滅」が迫っているらしい。
危機感を覚えた16歳のベラとヴィプランの2人が阻止する方法を探りに世界各地へ旅するが果たして…」
フランスで110万人が観た大ヒットドキュメンタリー
『TOMORROW パーマネントライフを探して』のシリル・ディオン監督最新作!
*カンヌ国際映画祭2021 ドキュメンタリー映画賞 ノミネート
*セザール賞2022 最優秀ドキュメンタリー賞 ノミネート
*ヨーロッパ映画賞2022 ヤング観客賞 受賞
文部科学省選定作品 社会教育(教材)
青年・成人向き(自然保護・地域開発)
◉映画『アニマル ぼくたちと動物のこと』
本書は、著者が経験した5つの追跡の物語を巡る作品だ。追跡という言葉が表す通り、道しるべとなるのは動物が残した痕跡である。モリゾは足跡の形や糞の状態をもとに、動物の行動を思い描く。この動物はこの地でどのように暮らしているのか。この動物は他の生物とどのように共存しているのか。モリゾは動物の論理を学び、その行動の意図を理解し、動物が知覚しているものを突き止めようとする。追跡は徐々に、動物の世界を理解しようとする哲学的な思索へと移行していく。
モリゾが疑問に付すのは、西欧的な「自然」の概念だ。西欧的な自然観は、生物を自然という言葉でひとくくりにし、意志を持たない受動的な存在とみなしている。ところがモリゾが実際に出会う動物たちは、強大な捕食者からミミズに至るまで、実に多様な方法で棲み家を築いている。モリゾはそのような出会いから、西欧の自然主義的な世界観と決別し、生物との関係性に富んだアニミズム的世界観を構築しようと試みる。生物と同じ地平に立ち、共存のための外交関係を築くことはできないかと問いかける。追跡の物語を通して、人間と他の生物との関係性や、生物としての人間のあり方が語られていく。
交互に織り込まれた追跡の物語と思索は、見事な一枚絵をなしている。冒険譚としても哲学書としても楽しめる、世界の見方を一変させてくれる作品。
(まるやま・りょう 仏翻訳家)
試し読み
*冒頭11頁まで別ウィンドウにビューアーが表示されます。
映画『アニマル ぼくたちと動物のこと』のご紹介
──『動物の足跡を追って』の著者、バティスト・モリゾも出演!
リヨンのENSでアグレガシオンと哲学の博士号を取得。
研究テーマは個性化の理論と科学的発明の認識論。
エクス=マルセイユ大学で講師を務め、
人間と生物の関係を研究している。
「追跡する哲学者」として、
可能な限り現場に出かけることを心がけている。
(ユナイテッド・ピープルの『動物の足跡を追って』の紹介文より)
「僕たちは絶滅するの?
地球上の生命の「6度目の大量絶滅」が迫っているらしい。
危機感を覚えた16歳のベラとヴィプランの2人が阻止する方法を探りに世界各地へ旅するが果たして…」
フランスで110万人が観た大ヒットドキュメンタリー
『TOMORROW パーマネントライフを探して』のシリル・ディオン監督最新作!
*カンヌ国際映画祭2021 ドキュメンタリー映画賞 ノミネート
*セザール賞2022 最優秀ドキュメンタリー賞 ノミネート
*ヨーロッパ映画賞2022 ヤング観客賞 受賞
文部科学省選定作品 社会教育(教材)
青年・成人向き(自然保護・地域開発)
◉映画『アニマル ぼくたちと動物のこと』