一新聞記者が描く「気候危機」取材30年の航路。数々のグローカルな「現場」へ読者を誘い、気候・環境問題を等身大の視線で見つめる旅
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一新聞記者が描く「気候危機」取材30年の航路。数々のグローカルな「現場」へ読者を誘い、気候・環境問題を等身大の視線で見つめる旅
- 関連ワード
- クライメット・ジャーニー 気候変動問題を巡る旅
- タイトル
- サブタイトル
- 気候変動問題を巡る旅
- 著者・編者・訳者
- 蒲敏哉著
- 発行年月日
- 2023年 3月 30日
- 定価
- 1,980円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1233-9 C0036
- 判型
- 四六判並製
- 頁数
- 220ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-蒲敏哉(かば・としや)
1962年名古屋市生まれ。
早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。
中日新聞(東京新聞)社会部・環境省担当記者、社会部ニュースデスク長等を経て、現在、岩手県立大学総合政策学部教授(環境政策、環境ジャーナリズム)。
日本記者クラブ会員。
1962年名古屋市生まれ。
早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。
中日新聞(東京新聞)社会部・環境省担当記者、社会部ニュースデスク長等を経て、現在、岩手県立大学総合政策学部教授(環境政策、環境ジャーナリズム)。
日本記者クラブ会員。
内容
私たちは「三つの見えない敵」に直面している。気候変動をもたらす人為的な二酸化炭素(CO2)、新型コロナウイルス、福島第一原発事故由来の放射性物質だ。
人類は、「他者の排除」を競い合うことで「文明」を創出してきた特異な生物だ。その競合本能は、今、地球生命圏全体を激しく蝕み、自らその存在を消し去る極限状態にあると言える。
本書は著者が東京新聞(中日新聞)社会部記者として取材した国連気候変動枠組み条約締約国会議や、沖縄県・辺野古の米軍基地移設問題など“現場”からの報告が中心になっている。
太平洋の島嶼国から米軍に入隊しイラク戦争で戦死した若者や、海面上昇で存続が危ぶまれる謎のナン・マドール遺跡(ミクロネシア連邦)、塩害に脅かされるフィジーなど、特別報道部時代に取材したものも含め、気候変動問題が経済中心主義や開発主義と密接に結びついている現況をあぶりだす。
欧州の気候変動政策を学ぶために留学したベルリン自由大学環境政策研究所やオックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所では、ベルリンの自由な雰囲気と、オックスフォードの帝国主義的アカデミズムを目の当たりにする。そこから英独の気候変動問題への根本的なアプローチの違いを紐解く試みも行っている。
SF作家小松左京氏やアニメ監督宮崎駿氏にも気候変動問題や生物多様性問題を問いかけた。この取材に応えて小松氏は地球史を見据えた人類の未来への対応、宮崎氏は次世代を見据えた等身大の取り組みの大切さを訴えている。
「ジャーニー」は家族との旅でもある。身重で英独で暮らし、ベルリンで長女を出産した妻や、現地校に通った小学二年生の長男の物語も織り交ぜた。
ジャーナリズムの仕事は、現場をさまよい、のたうちまわりながら真実を探るという一点に尽きる。そこには、不条理な現実やそれを乗り越える展望を発見し、知り、伝える使命がある。閉塞感から抜け出せない時代だからこそ、環境ジャーナリズムが持つ意義について、広く深く読者と共有することができればと願っている。
(かば・としや)
人類は、「他者の排除」を競い合うことで「文明」を創出してきた特異な生物だ。その競合本能は、今、地球生命圏全体を激しく蝕み、自らその存在を消し去る極限状態にあると言える。
本書は著者が東京新聞(中日新聞)社会部記者として取材した国連気候変動枠組み条約締約国会議や、沖縄県・辺野古の米軍基地移設問題など“現場”からの報告が中心になっている。
太平洋の島嶼国から米軍に入隊しイラク戦争で戦死した若者や、海面上昇で存続が危ぶまれる謎のナン・マドール遺跡(ミクロネシア連邦)、塩害に脅かされるフィジーなど、特別報道部時代に取材したものも含め、気候変動問題が経済中心主義や開発主義と密接に結びついている現況をあぶりだす。
欧州の気候変動政策を学ぶために留学したベルリン自由大学環境政策研究所やオックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所では、ベルリンの自由な雰囲気と、オックスフォードの帝国主義的アカデミズムを目の当たりにする。そこから英独の気候変動問題への根本的なアプローチの違いを紐解く試みも行っている。
SF作家小松左京氏やアニメ監督宮崎駿氏にも気候変動問題や生物多様性問題を問いかけた。この取材に応えて小松氏は地球史を見据えた人類の未来への対応、宮崎氏は次世代を見据えた等身大の取り組みの大切さを訴えている。
「ジャーニー」は家族との旅でもある。身重で英独で暮らし、ベルリンで長女を出産した妻や、現地校に通った小学二年生の長男の物語も織り交ぜた。
ジャーナリズムの仕事は、現場をさまよい、のたうちまわりながら真実を探るという一点に尽きる。そこには、不条理な現実やそれを乗り越える展望を発見し、知り、伝える使命がある。閉塞感から抜け出せない時代だからこそ、環境ジャーナリズムが持つ意義について、広く深く読者と共有することができればと願っている。
(かば・としや)