50年にわたる在住経験で体感した北欧ジェンダー先進社会の理念と実践。自らの意識を変革しつつ子と向き合う育児の真髄

978-4-7948-1237-7

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50年にわたる在住経験で体感した北欧ジェンダー先進社会の理念と実践。自らの意識を変革しつつ子と向き合う育児の真髄

関連ワード
やってよかった育児パパ
タイトル
サブタイトル
日本人のパパがスウェーデンでたどり着いた男女平等教育
著者・編者・訳者
谷沢英夫著
発行年月日
2023年 4月 24日
定価
1,980円
ISBN
ISBN978-4-7948-1237-7 C0036
判型
四六判並製
頁数
180ページ

著者・編者・訳者紹介

著者紹介-谷沢英夫(たにさわ・ひでお)
1943年生まれ。
1974年より、屋外遊具メーカーHAGS社の市場開発や「子どもの遊びコンサルタント」に尽力。
2011年早稲田大学人間文化研究科博士前期課程修了後、同大学招聘研究員。
著書『スウェーデンの少子化対策』、訳書BRIS+M・ホルム編『子どもの悲しみとトラウマ』

内容

 「育児に携わり、日々、子どもが成長する様子を見届ける生活は、このうえなく楽しいものでした。それを可能にしてくれたのがスウェーデンの社会なのです」
 そんな社会に50年間暮らし続けた著者は、自らの子育てを振り返って、スウェーデンという国の「男女平等原則が大きく影響した」としている。著者が日本の父親に対して育児をすすめるのは、それが「幸せなこと」であるからだ。彼の妻はスウェーデン人でプレスクールの園長。それゆえ、一般の保護者よりも育児というものが身近にあったのだろう。日々の営みのなかで家族の「幸福」に焦点を当てているところが本書の特徴となっている。
 1960年代より欧州社会は「男女共同参画」を発展的な課題として受け入れ、多様な人々が暮らしやすい環境を模索してきた。そのような社会的うねりのなかで、父親たちは真っ直ぐな眼差しでその変化を見つめてきた。他者のケアに携わっている人は「無意識にもっている偏見」を常に問い返される。そのよき例として、「プレスクールのビデオ観察」についても触れている。この観察は、子どもと向き合うトレーニングを積んだ人たちでさえ、男女役割分担という思考の枠組みから解放されていないことを示していた。だからこそ、私たち一人ひとりもそのことを意識しようと著者は言っている。
 「男・女らしさとは何だろう?」、「子どもたちとどのように接するの?」――後半では、子どもと過ごした日々から得られたヒントが示されている。読み進めれば、読者自身の日常がそこに重なっていくだろう。示された言葉は、家族と向き合った時間から紡がれた「本当に大切なもの」ばかりだ。だからこそ、その思いが私たちを優しく包んでくれる。
 結びとして掲載された「スウェーデンの子どもたちへの調査結果」において子どもたちは、大人に対して語りかけている。「スウェーデン社会の選択は成功であった。私たちの声こそが、希望ある未来を切り開いた社会である!」
(株式会社アネビー 藤井薫)

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