「ケア」と「ジェンダー」の両概念の「定義」に正面からアプローチし、福祉社会学を多様な視点と分析手法によって考察した意欲作。
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「ケア」と「ジェンダー」の両概念の「定義」に正面からアプローチし、福祉社会学を多様な視点と分析手法によって考察した意欲作。
- 関連ワード
- 比較福祉社会学の展開 ケアとジェンダーの視点から
- タイトル
- サブタイトル
- ケアとジェンダーの視点から
- 著者・編者・訳者
- 西下彰俊編著/何妨容・山口佐和子・乙部由子・加藤典子・嶋守さやか著
- 発行年月日
- 2024年 12月 6日
- 定価
- 3,080円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1280-3 C0036
- 判型
- A5判並製
- 頁数
- 246ページ
著者・編者・訳者紹介
編著者 西下彰俊(にしした・あきとし)
東京経済大学現代法学部教授。
前勤務先では、福祉社会学科設立準備委員を務めた。
スウェーデン、韓国、台湾、日本の介護政策比較研究が専門。
昨年から、東アジアの高齢介護者本人の聞き取り調査を実施中。
東京経済大学現代法学部教授。
前勤務先では、福祉社会学科設立準備委員を務めた。
スウェーデン、韓国、台湾、日本の介護政策比較研究が専門。
昨年から、東アジアの高齢介護者本人の聞き取り調査を実施中。
内容
本書は、編者である西下が名古屋市内にある金城学院大学に在職当時に指導した社会学専攻博士課程大学院生あるいは修士課程院生であったメンバー達と共同で執筆している。筆者は、30代前半から40代後半まで14年間在職しており、その間に指導した院生達である。ここ数年にわたる活発な議論を通じて本書は完成している。
本書は、幾つかの特色をもつ。まず第1に、本書のタイトルに入る「ケア」と「ジェンダー」の両概念についてそれぞれの「定義」に正面からアプローチしている点が挙げられる。具体的には、序章でケアとジェンダーに関する先行研究の定義を参照し、批判的に検討した上で筆者の暫定的な定義を提示している。
第2に、これも本書のタイトルに入る「福祉社会学」の概念が、その定義において重層的であることを明らかにした点が挙げられる。つまり、福祉社会学は、第1に社会学の一分野である連字符社会学であり、第2にあるべき福祉社会を模索する学際的な科学であるという2層から構成される概念であると理解する。その考え方は、前職の大学で「福祉社会学科」を新設する際の基本的な枠組みとなった。
第3に、具体的なトピックスとして各執筆者の研究キャリア上で選ばれた介護制度、子供の共同監護、女性労働、単身高齢者、路上生活者に焦点が当てられ実証的な分析が行われている。その際、国際比較の視点あるいは国内比較の視点、共時的視点、通時的視点といった様々な視点から多様な分析が展開された。
第4に、本書は大学の学部、大学院の教科書として使われることを意識して執筆された。具体的には、多くの章で、章の最初に理論的な考察や理論的な背景の説明がなされ、その考察や説明を踏まえた「人々の語り」(質的データ)が多様な方法で事例分析されている。教科書としての分かりやすさが、十分に発揮されていると考える。意欲に満ちた本書が広く長く読まれることを期待したい。
(にしした・あきとし)
本書は、幾つかの特色をもつ。まず第1に、本書のタイトルに入る「ケア」と「ジェンダー」の両概念についてそれぞれの「定義」に正面からアプローチしている点が挙げられる。具体的には、序章でケアとジェンダーに関する先行研究の定義を参照し、批判的に検討した上で筆者の暫定的な定義を提示している。
第2に、これも本書のタイトルに入る「福祉社会学」の概念が、その定義において重層的であることを明らかにした点が挙げられる。つまり、福祉社会学は、第1に社会学の一分野である連字符社会学であり、第2にあるべき福祉社会を模索する学際的な科学であるという2層から構成される概念であると理解する。その考え方は、前職の大学で「福祉社会学科」を新設する際の基本的な枠組みとなった。
第3に、具体的なトピックスとして各執筆者の研究キャリア上で選ばれた介護制度、子供の共同監護、女性労働、単身高齢者、路上生活者に焦点が当てられ実証的な分析が行われている。その際、国際比較の視点あるいは国内比較の視点、共時的視点、通時的視点といった様々な視点から多様な分析が展開された。
第4に、本書は大学の学部、大学院の教科書として使われることを意識して執筆された。具体的には、多くの章で、章の最初に理論的な考察や理論的な背景の説明がなされ、その考察や説明を踏まえた「人々の語り」(質的データ)が多様な方法で事例分析されている。教科書としての分かりやすさが、十分に発揮されていると考える。意欲に満ちた本書が広く長く読まれることを期待したい。
(にしした・あきとし)