「第四次経済」の時代
フランス型NPO(非営利組織)が実証する新しい経済部門としての市民活動の台頭!
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「第四次経済」の時代
- タイトル
- サブタイトル
- 人間の豊かさと非営利部門
- 著者・編者・訳者
- ロジェ・シュー著
- 山本一郎訳
- 発行年月日
- 1999年 9月 30日
- 定価
- 2,750円
- ISBN
- ISBN4-7948-0447-4
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 256ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-ロジェ・シュー(Roger Sue)/1951年パリ生まれ。パリ政治学院哲学大学院卒業。政治学・社会学博士。国立統計経済研究所社会学部長などを経て現在はカーン大学、パリ・ソルボンヌ大学教授。主要な著書に『2000年を生きる』(1985年)、『余暇』(1993年)など。
山本一郎(やまもと・いちろう)/国際政治評論家。
山本一郎(やまもと・いちろう)/国際政治評論家。
内 容
経済は発展段階に応じて原動力を変えて行く。農業、工業、サービス業、第一次から第3次部門までは20世紀でほぼ役割を終えた。21世紀に世界経済を牽引するものは何か?
情報革命、ネットワーク時代、さまざまあるが、フランスの社会学者ロジェ・シューは本書(原題『人間の豊かさ、第4次経済へ』)の中で、牽引力になるのは「行政と市場」いずれもが満たせない新しい需要に対応する第4次部門、ボランティア・市民活動だと断言する。新時代の担い手は『能力に応じて提供し、必要に応じてとる』「参加と連携」の部門、NPO(非営利組織)なのである。
シューは日本語のNPOに相当するアソシアシオン(自発的参加の協力組織)を基盤とする「アソシアシオニスム」の世界を定義し、それが先進各国で急成長し、国内総生産(GDP)の大きな部門を占めるに至っていることを、社会学的、統計学的に証明する。
かつては「富を生み出さない」無償の行為やボランティア活動として定義されていた活動が、厚生、福祉、教育、環境などへ領域を広げ、比重を高め、ついには経済成長の主動力となる。新時代には、かつて企業が担っていた役割を市民活動が果たす。営利組織に変わって非営利組織が、また、通貨に変わってサービスと時間の交換が土台となるシステムは、どのように機能するか?
シューの立論は、具体的、実証的であり、説得力を持つ。
彼はまた「労働」や「雇用」が実質的な中身を失ったと強調する。操り人形のように動く非主体的な労働は価値を失い、個人の創造力、専門能力と主体性がきわめて重要になる。人生の中で労働の占める時間は大きく減った。先進国の平均労働時間は起きている時間の8%(全人生の5%)しか占めていない。余暇が激増すると人間は「生き甲斐」をどこに求めるか?
自らの能力を公益のために使うことである。フランス人は「参加(パルティシパシオン)」の哲学を重視してきたが、ここでは「参加と連携(アソシアシオン)」理念が強く提起されている。本書は知的刺激にあふれていて、余暇が増え、仕事の他に生き甲斐を求めるようになった日本人の発想法を大きく変える可能性を秘めている。
情報革命、ネットワーク時代、さまざまあるが、フランスの社会学者ロジェ・シューは本書(原題『人間の豊かさ、第4次経済へ』)の中で、牽引力になるのは「行政と市場」いずれもが満たせない新しい需要に対応する第4次部門、ボランティア・市民活動だと断言する。新時代の担い手は『能力に応じて提供し、必要に応じてとる』「参加と連携」の部門、NPO(非営利組織)なのである。
シューは日本語のNPOに相当するアソシアシオン(自発的参加の協力組織)を基盤とする「アソシアシオニスム」の世界を定義し、それが先進各国で急成長し、国内総生産(GDP)の大きな部門を占めるに至っていることを、社会学的、統計学的に証明する。
かつては「富を生み出さない」無償の行為やボランティア活動として定義されていた活動が、厚生、福祉、教育、環境などへ領域を広げ、比重を高め、ついには経済成長の主動力となる。新時代には、かつて企業が担っていた役割を市民活動が果たす。営利組織に変わって非営利組織が、また、通貨に変わってサービスと時間の交換が土台となるシステムは、どのように機能するか?
シューの立論は、具体的、実証的であり、説得力を持つ。
彼はまた「労働」や「雇用」が実質的な中身を失ったと強調する。操り人形のように動く非主体的な労働は価値を失い、個人の創造力、専門能力と主体性がきわめて重要になる。人生の中で労働の占める時間は大きく減った。先進国の平均労働時間は起きている時間の8%(全人生の5%)しか占めていない。余暇が激増すると人間は「生き甲斐」をどこに求めるか?
自らの能力を公益のために使うことである。フランス人は「参加(パルティシパシオン)」の哲学を重視してきたが、ここでは「参加と連携(アソシアシオン)」理念が強く提起されている。本書は知的刺激にあふれていて、余暇が増え、仕事の他に生き甲斐を求めるようになった日本人の発想法を大きく変える可能性を秘めている。