中世びとの万華鏡
幻視的想像力(visionary imagination)の視点から論じた中世びとの世界
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中世びとの万華鏡
- タイトル
- サブタイトル
- ヨーロッパ中世の心象世界
- 著者・編者・訳者
- キャロリー・エリクソン著
- 武内信一・多ヶ谷有子・石黒太郎訳
- 発行年月日
- 2004年 11月 19日
- 定価
- 4,180円
- ISBN
- ISBN4-7948-0647-7
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 436ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-キャロリー・エリクソン(Carolly ERICKSON)
1943年米国生まれ。1969年コロンビア大学から西洋中世史でPh.D.を取得、しばらく大学で教鞭を執った後、伝記作家に転じている。
主なものに、Bloody Mary (1978)、The First Elizabeth (1983)、近刊として The Girl from Botany Bay (2004)がある。
ハワイ在住。
1943年米国生まれ。1969年コロンビア大学から西洋中世史でPh.D.を取得、しばらく大学で教鞭を執った後、伝記作家に転じている。
主なものに、Bloody Mary (1978)、The First Elizabeth (1983)、近刊として The Girl from Botany Bay (2004)がある。
ハワイ在住。
内 容
13世紀の地誌『世界の様相』という本に、天と地が接する場所を求めて旅に出た3人の修道士の話が出てくる。初めのうちは、ティグリス川やペルシャなど現代人にも馴染みのある実際の土地を旅する3人であるが、やがてユニコーンやバシリスクなどの想像上の動物が棲む世界に足を踏み入れてゆく。さらに旅を続け、3人は恐ろしい責め苦の悲鳴で満ち満ちている地獄を恐怖に慄きながらも通過し、ついに目的地の近くまで到達する。ところが、「旅を続けるな」という夢告を受けたというある聖人の話を聞き、3人はいとも簡単に旅を中止し、引き返してしまうのである。
実際の地理を辿る旅、想像上の生物が棲む世界を歩む旅、地獄を体験する旅、そして夢のお告げを信じる3人の心象。著者エリクソンによれば、これが中世びとに普遍的に見られる世界認識のパターンであり、「抽象的な概念を伝えるのに中世びとは幻視や視覚のメタファを用いていた」というのである。
『中世びとの万華鏡』 は、エリクソンが伝記作家に転ずる前に歴史学者として著した最初の著作であり、中世びとが日常見ていた世界を幻視的想像力(visionary imagination)という視点から論述した一般読者向けの歴史解説書である。1976年に出版されて以来、現在でも版を重ねるロングセラーである。その意味では、中世の著名な人物を描いたアイリーン・パウアの『中世の人々(Medieval People)』(1924)と同様、ヨーロッパ中世史の古典のひとつに加えるべき名著である。
実際の地理を辿る旅、想像上の生物が棲む世界を歩む旅、地獄を体験する旅、そして夢のお告げを信じる3人の心象。著者エリクソンによれば、これが中世びとに普遍的に見られる世界認識のパターンであり、「抽象的な概念を伝えるのに中世びとは幻視や視覚のメタファを用いていた」というのである。
『中世びとの万華鏡』 は、エリクソンが伝記作家に転ずる前に歴史学者として著した最初の著作であり、中世びとが日常見ていた世界を幻視的想像力(visionary imagination)という視点から論述した一般読者向けの歴史解説書である。1976年に出版されて以来、現在でも版を重ねるロングセラーである。その意味では、中世の著名な人物を描いたアイリーン・パウアの『中世の人々(Medieval People)』(1924)と同様、ヨーロッパ中世史の古典のひとつに加えるべき名著である。