藤原政治哲学の全貌を捉える著作集、第3回配本! 日本的現実との対峙から生み出される思索

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関連ワード
大正デモクラシーと大山郁夫
タイトル
著者・編者・訳者
荻原隆・梅森直之編
発行年月日
2005年 8月 10日
定価
6,270円
ISBN
ISBN4-7948-0671-X 
判型
A5判上製
頁数
408ページ

著者・編者・訳者紹介

藤原保信(ふじはら・やすのぶ)
1935年生まれ、94年没。元早稲田大学政治経済学部教授。政治学博士。政治思想史専攻。
『自由主義の再検討』(岩波新書、1993)など著書多数。

内 容


 本巻は、藤原保信の1989年の著作である『大山郁夫と大正デモクラシー—思想史的考察』に、関連する4つの論文を加えて構成される。西洋政治思想史を専門とする藤原が、ゆうにこの著作集の1巻を構成するに足る日本思想史の業績を残していたことを意外に思われる読者も多いことであろう。しかし藤原の修士論文が、「大正デモクラシーの思想史的一考察——吉野作造と大山郁夫を中心として」(1961年)というものであり、その後も大山郁夫を中心とする大正デモクラシーの研究に強い関心を持ち続けたことを考えるならば、日本の思想史に対する関心は、藤原政治学を構成する重要な柱であったとも言えるかもしれない。
 本巻の主な研究対象となっている大山郁夫は、早稲田大学教授たるにとどまらず、ジャーナリストとしてまた労農党の委員長として、狭いアカデミズムの枠を超えて活躍した人物であった。貪欲な知的好奇心、幅広い研究能力、的確な内在的再構成力、対象への真摯で暖かいまなざし、分かりやすく柔らかい叙述、そして鋭い批判精神や強い実践的関心は、本巻を構成する韌研究においても、遺憾なく発揮されている。
 本書は、政治理論上の課題をめぐって展開された、大山をはじめとする政治思想家たちと藤原との対話の記録である。きわめて理想的・規範的な藤原政治学が、日本という現実とどのような接点をもちうるのか。本巻は、藤原政治学の新たな一面を照らしださずにはおかない。学問における実践的関心と規範意識の復権、そしてそれを通しての不断の自己改革。本巻通じて読者は、藤原の残したこれらの重い課題と、新しい文脈においてあらためて向き合うことを余儀なくされよう。



関連書籍:
『藤原保信著作集 第9巻 自由主義の再検討』
『藤原保信著作集 第10巻 公共性の再構築に向けて』

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