生の条件を毀損するネオリベラリズム的教義と、それを容認する我々自身の日常的感性を問う!

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ネオリベ現代生活批判序説
タイトル
著者・編者・訳者
白石嘉治・大野英士編
発行年月日
2005年 10月 18日
定価
2,420円
ISBN
ISBN4-7948-0678-7 
判型
四六判上製
頁数
264ページ

著者・編者・訳者紹介

編者-白石嘉治(しらいし・よしはる)
1961年生れ。上智大非常勤講師他。
仏文学専攻。
M.クレポン『文明の衝突という欺瞞』(編訳)、J.ドリュモー他『父親の歴史、父性の歴史』(共訳、近刊、いずれも新評論)等。

編者-大野英士(おおの・ひでし)
1956年生れ。早大非常勤講師他。
仏文学専攻。
F.-X.ヴェルシャヴ『フランサフリック』(共訳、緑風出版)等。

内 容



 2005.9.11の衆院総選挙は、自民党の地滑り的勝利で終わった。比例制のマジックによる錯覚勝利にすぎないにもかかわらず、小泉政権は“郵政民営化が支持された国民投票”などと公言している。しかし、「郵政民営化」をはじめとする小泉政権の「改革」の中身と終着点を、私たちは本当に理解しているだろうか? たしかに「官」の非効率や不正をなくすためにできる限り民間に委ねようという主張は説得力をもつ。だが小泉流民営化論を基礎づけているのは、市場の万能を唱えるネオリベラリズム(新自由主義)の教義であり、それは「市場の原理に従って儲けることができた者だけが生き残る」ことに行き着く。
 言うまでもなく「民営化」はとうの昔に始まっていた。電電公社=通信、国鉄=交通、大学=教育等々。年金も渦中にある。では、次は医療だろうか? その次は軍事? さらにその先には…こうして公共部門が削られ、市場に委ねられてゆくことで生きてゆけなくなったとしたら、その人は「生きなくてよい者」なのだろうか? 仕事を失い、食べられなくなった時、「市場の原理なのだからやむを得ない」などと納得するだろうか? 「市場」に、ある人間が「生き残るべきか否か」を委ねてよいはずがない。小泉政権の「改革」の根底にはネオリベラリズムがあり、その終着点には生の統治がある。
 本書では、「埼玉大非常勤講師大量解雇事件」を出発点に、たとえば「大学」そのものを「公共空間」として捉えることのできないわれわれの“ネオリベ化した感性”が問い直される。4人の思想家・活動家(入江公康・樫村愛子・矢部史郎・岡山茂)へのインタヴューによって、ネオリベ的現況がさまざまな角度から浮き彫りにされる。医療、教育、交通、通信=生の普遍的な条件としての公共性が毀損されつつある現在、その毀損への抵抗がいかに可能かを考え、行動しなければならない。

ネオリベ生活批判速報
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