スウェーデンの知的障害者
スウェーデンの「共存社会」に生きる障害者の人々の生活と支援策の実例
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- 関連ワード
- スウェーデンの知的障害者
- タイトル
- サブタイトル
- その生活と対応策
- 著者・編者・訳者
- 河本佳子著
- 発行年月日
- 2006年 5月 2日
- 定価
- 2,200円
- ISBN
- ISBN4-7948-0696-5
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 252ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-河本佳子(こうもと・よしこ)
スウェーデンに移住して36年。3人の子の母親として、また作業療法士としてマルメ大学総合病院内にあるハビリテーリングセンターに勤務。
障害児の家庭や学校を訪問し、補助器具の提供や住宅改造など、各種の障害者を様々な形で支援している。
著書に『スウェーデンの作業療法士』、『スウェーデンのスヌーズレン』、『スウェーデンののびのび教育』(すべて新評論)がある。
スウェーデンに移住して36年。3人の子の母親として、また作業療法士としてマルメ大学総合病院内にあるハビリテーリングセンターに勤務。
障害児の家庭や学校を訪問し、補助器具の提供や住宅改造など、各種の障害者を様々な形で支援している。
著書に『スウェーデンの作業療法士』、『スウェーデンのスヌーズレン』、『スウェーデンののびのび教育』(すべて新評論)がある。
内 容
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あらゆる障害者が共存できる社会、そんな社会が当然だといわんばかりに、スウェーデンという国はさまざまな形で障害者たちを支援してきた。それは、高齢者や身体障害者に対する配慮だけでなく目の不自由な人々にまで至り、すべての人が社会参加のできるような支援制度を設けている。
「ともに生きる社会」を目指そうとはいうけれど、1人の人が自分の障害を認め、健常者とともに生きることはそう簡単なことではない。1人の障害者が社会の中で共存することは、周囲の人々からそれ相応のサポートがあってこそできるものである。そのためにスウェーデンでは、障害者の声に耳を傾け、需要に合った社会を形成すべく、長年にわたって豊富な支援制度を確立してきたわけだ。
スウェーデンの歴史を振り返ってみると、日本と同じく、多くの障害者たちが集団施設に収容されて一般の人々からは隔離されるといった厳しい生活を余儀なくされていた時代もある。小児精神科医であり、社会庁の上級監査官でもあったカール・グルネワルド氏は、今回私が本書を著すにあたってお話を聞いた際、施設を監査して回った当時の様子を私に熱く語ってくれた。珍しい、歴史的にも価値のある古い写真や真摯な助言を提供してくれたのも彼である。それらによって、現在までの変遷がはっきりした。過酷な集団収容施設の生活から脱し、ノーマライゼーションの原理に沿って弱者に優しいといわれる現在の共存社会をつくりあげた今、障害者の人たちはどのような日常生活を送っているのだろうか。
4冊目の出版となる今回は、私の周りにいる知的障害者たちをテーマとしてその生活風景や対応策をまとめてみた。スウェーデンでは、生活空間のどこであれ、多くの知的障害者に出会って交流を深めることができる。彼らの日常生活を紹介することによって知的障害者の存在を身近に感じてもらえればありがたい。また、「共存」とは何かを改めて考えていただければと思っている。