循環と共存の森から
森を守ると人間は森に守られるんですよ。かつては日本もそうでしたが…。
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- 関連ワード
- 循環と共存の森から
- タイトル
- サブタイトル
- 狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵
- 著者・編者・訳者
- 船尾修著
- 発行年月日
- 2006年 10月 10日
- 定価
- 2,530円
- ISBN
- ISBN4-7948-0712-0
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 280頁+カラー口絵付ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-船尾修(ふなお・おさむ)
1960年神戸生まれ。
写真家。
筑波大学生物学類卒(環境科学専攻)。
アフリカとアジアをフィールドに、環境・文明・民族の視点から、人々の多様な文化や暮らしを取材・撮影し続けている。
日本アフリカ学会会員。
主著に『アフリカ 豊饒と混沌の大陸』(全2巻、山と渓谷社)など。
1960年神戸生まれ。
写真家。
筑波大学生物学類卒(環境科学専攻)。
アフリカとアジアをフィールドに、環境・文明・民族の視点から、人々の多様な文化や暮らしを取材・撮影し続けている。
日本アフリカ学会会員。
主著に『アフリカ 豊饒と混沌の大陸』(全2巻、山と渓谷社)など。
内 容
本書の主人公であるムブティ・ピグミーは、アフリカ・コンゴ民主共和国東北部に広がる熱帯雨林、イトゥリの森に住む狩猟採集民である。かれらは深い森の中に生息する動物を狩り、植物を採集しながら暮らしている。筆者はかれらと延べ五か月間にわたって起居を共にしながら、かれらの暮らしと文化を通して「人間と環境」について考えた。ムブティの暮らしを見つめることによって、生命というものの本質や、現代社会の巨大な課題となっている「地球環境」のことが見えてくるのではないか、と考えたのである。
狩猟採集という生き方は、農業によって支えられたわれわれの生き方とは根本的に異なっている。われわれの社会が農業による食糧の増産によって人口を増やし、自然を制御することで都市という文明を発達させたのに対し、狩猟採集は有限な生物資源を一方的に奪取する暮らしだから、人間は周囲の環境の一部となることが要求される。ムブティの暮らしを通じてこの二つの生業の差異を考えてみることが、出口の見えない現代の環境問題を解く一つの鍵になるのではないかと思う。
あらゆる生命が循環するイトゥリの森で、ムブティはさまざまな優れたシステムを機能させながら自然環境と一体化して暮らしている。しかし、かれらももはや森の閉じられた生態系の中だけで充足して暮らすことはできなくなっている。
イトゥリの森は1998年以降、現在もコンゴ内戦の真っ只中にあり、ムブティの暮らしは脅かされ続けている上、グローバリゼーションの波も森に及びつつある。本書では、必要に応じて現代コンゴ事情と絡めながら「現代に生きるムブティ」の姿を記録し、そこから「人間と環境」を考察したものである。