中国の産学連携
学・産の真の連携に向けた果敢な取り組みを、北京、瀋陽、大連、上海、広東の現場から報告。
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- 関連ワード
- 中国の産学連携
- タイトル
- 著者・編者・訳者
- 関満博編
- 発行年月日
- 2007年 3月 8日
- 定価
- 4,620円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-0730-4
- 判型
- A5判上製
- 頁数
- 352ページ
著者・編者・訳者紹介
編者-関満博(せき・みつひろ)
1948年生まれ。
一橋大学教授。
編著書に『中国自動車タウンの形成』『現代中国の民営中小企業』他。
1948年生まれ。
一橋大学教授。
編著書に『中国自動車タウンの形成』『現代中国の民営中小企業』他。
内 容
1991年末、私(関満博)は建材関係調査団の一員として北京に滞在していた。当時、私(関満博)には一つ気になることがあった。91年の夏の頃、日本では「北京にシリコンバレーが形成されつつある」という噂が流れていた。そこで建材局の幹部に頼み、初めて北京シリコンバレーに足を踏み入れることになった。場所は北京郊外の海淀区、北京大学、清華大学などが立地している地域であった。そこでは「ハイテク企業」の優遇、「大学」における産業界との連携、北京の秋葉原と言われる「電子街」の三つの要素が中心になり、興味深いことが始まっていた。
すでに当時、ハイテク企業の認定を受けている企業は2000社、さらに北京中関村の電子街は数キロの長さで店舗を連ねていた。新しく何かが起こる予感がした。そして、この北京の実験は成功とされ、全国27都市で同様の実験が開始されていたのであった。そして長年の観察により、この実験の最大の成果は「大学」にあることを痛感させられていく。中国の理工系大学は産学連携の推進、大学発ベンチャーの育成に踏み込んでいく。
世界の有力企業との合弁、大学発ベンチャーの育成を果敢に進め、現在では少なくとも東アジアで最も活発な様相を呈している。このような中国の動きに対し、わが日本は事態が遅々として進まない。おそらく、日本はこのテーマに関して主要国の中で最も遅れてしまった。むしろ、中国の果敢な動きと成果に刺激され、日本の大学も産業界との真の連携をめざす新たな取り組みを重ねていくことを願う。以上のような視点に立ち、本書は中国の産学連携、大学発ベンチャーの主要な動きを北京、瀋陽、大連、上海、広東に求めていく。中国の大学は2000とも言われる。本書では代表的なケースを追いかけ、今後、さらに踏み込み、内容を深めていけることを願っている。