「愛するってどういうこと?」子どもたちの真剣な問いに、現代を代表する哲学者が真摯に向き合う。

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タイトル
著者・編者・訳者
ジャン=リュック・ナンシー著
 
メランベルジェ眞紀訳
発行年月日
2009年 4月 23日
定価
1,540円
ISBN
ISBN978-4-7948-0801-1 
判型
頁数
112ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-Jean-Luc NANCY(1940-、ジャン=リュック・ナンシー)-
フランスの哲学者。ストラスブール大学名誉教授。共同性やキリスト教の問題、芸術論など幅広い分野で独自の思想を繰り広げている。『無為の共同体』『単数にして複数の存在』『世界の意味』などをはじめ、これまでに70冊以上の著作が出版され、邦訳も多い。

内 容

 フランスのパリ近郊にある劇場では、10歳からの子どもたちを対象とする「小さな講演会」が定期的に開かれている。そこでは毎回、作家や学者、ジャーナリストや職人などその道のプロフェッショナルが登壇し、彼らの知識や情熱や問題意識が子どもたちに伝えられる。世代の異なる者同士が出会い真剣に言葉を交わし合うこの啓蒙の試みは反響を呼び、講演はシリーズで出版され、現役の子どもだけでなく、かつて子どもだった大人の読者にも好評を博している。
 6年目に入ったこの講演会にリピーターとして登板しているのが、現代フランス哲学者の最高峰の一人、ジャン=リュック・ナンシーである。その大哲学者が実に気さくにユーモアを交えながら「神」「正義」「美」といったテーマで語る各講演はいずれも魅力的なのだが、なかでも今回訳出した「恋愛について」の講演を聞きに来た子どもたちは、哲学者は一体恋愛の何を知っているのだろう、と興味津々であった。子どもたちに対しナンシーは、いわゆる男女交際のモラルを説くわけでも、具体的なアドバイスをするわけでもない。彼はただ、孫のような年頃の聴衆を前に、誰かを「狂おしいほど愛する」とはどういうことなのかを真摯に語り、そして子どもたちが投げかける驚くほど率直な疑問にきちんと向かい合うのである。
 どんなに誰かを愛しても、それが他者である以上、相手を完全に知ることはできない。愛とは絶対的他者との唯一無二の関係に身を投じるという決してわがものにはならない経験であり、また手の届かないはずの無限が触れてくる場でもある。だからこそナンシーにとって哲学は、「知への愛」であると同時になにより「愛を求める」営みなのだ。(訳者 メランベルジェ眞紀 上智大学教員)

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