一事件の《全体的社会事実》を解析した歴史民族学の画期的成果!

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南仏ロマンの謝肉祭(カルナヴァル)
タイトル
サブタイトル
叛乱の想像力
著者・編者・訳者
エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ著
 
蔵持不三也訳
発行年月日
2002年 4月 1日
定価
6,050円
ISBN
ISBN4-7948-0542-X 
判型
四六判
頁数
704ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ(EmmanuerLe Roy Ladurie)-
1929年、フランス北部バス=ノルマンディーの県都カンのカトリック系の家に生まれる。リセの名門アンリ四世校をおえたのち、第二次世界大戦後の1949年、国立師範学校に進み歴史学を学ぶ。同年フランス共産党に入党するが、1956年ハンガリー動乱を機に脱退。1953年、上級教授資格試験に合格し、南仏モンペリエのリセで歴史学を講義。以後、国立中央科学研究所(C.N.R.S)派遣研究員、モンペリエ大学講師、パリの国立高等研究院第六セクション(のちの高等社会科学研究院)研究指導教授を経て、1969年からは同研究院の歴史部門を率いるフェルナン・ブローデルのもとで、新しい歴史学を標榜する《経済・社会・文明年報》(いわゆる《アナール誌》)の編集陣に加わり、1973年にはブローデルの後を受けてコレージュ・ド・フランスの歴史学教授に迎えられる。1987年には国立図書館の館長に就任し、システムの改革に携わる。

内 容

 中世のたたずまいを今に残す南仏の小都市ロマン=シュル=イゼール。
 この町で1579-1580年に起きた凄惨な連鎖的事件とは?祝祭空間の中でくりひろげられた叛乱=反税闘争の連鎖を解析し、16世紀のあらゆる社会・構造的軋轢=全体的社会事実の縮図を描き切る、アナール民族歴史学の白眉。
 ロマンの謝肉祭(カルナヴァル)は、社会の諸相が一気に対立の構図に投入されたかぎりにおいて、まさに《全体史》としての性格を帯びていた。16世紀という時代状況でおよそ考えられるほとんどの社会的軋轢が、ポーミエとゲランという対照的な二人を主役あるいは化身とし、カルナヴァルというすぐれて伝統的な民族慣行を舞台とし、さらに象徴的な祝祭言語を格好の装置として、複合的かつ連鎖的に、そして周辺地域をも巻き込む形で同心円状に奔出する。そのかぎりにおいて、ロマンのカルナヴァルは、過不足なく時代の縮図としてあり、住民と社会とが織りなす、時に過酷な集団的イマジネールの仕掛けとしてありえた。本書は中世のたたずまいを今に残す南仏の小都市ロマン=シュル=イゼールで1579年から1580年に起きた凄惨な連鎖的事件についての記録である。祝祭空間の中でくりひろげられた叛乱=反税闘争の連鎖を解析し、16世紀のあらゆる社会・構造的軋轢=《全体的社会事実》の縮図を描き切る、アナール民族歴史学の白眉である。

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