ラテン・アメリカは警告する
日本型ネオリベラリズムを乗り越える戦略的議論!
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- ラテン・アメリカは警告する
- タイトル
- サブタイトル
- シリーズ〈「失われた10年」を超えて-ラテン・アメリカの教訓〉第1巻
「構造改革」日本の未来 - 著者・編者・訳者
- 内橋克人・佐野誠編
- 第1巻執筆者
内橋克人、佐野 誠、山崎圭一、宇佐見耕一、安原 毅、小倉英敬、吾郷健二、岡本 哲史、子安昭子、篠田武司、小池洋一、山本純一、新木秀和 - 発行年月日
- 2005年 4月 22日
- 定価
- 2,860円
- ISBN
- ISBN4-7948-0643-4
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 355ページ
著者・編者・訳者紹介
(シリーズ共同編集代表:内橋克人・佐野誠・田中祐二・小池洋一・篠田武司・宇佐見耕一)
内 容
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昨今の景気回復にもかかわらず、「失われた10年」と呼ばれた1990年代以来の日本の喪失感はむしろ強まっている。年金や雇用をめぐる不安、戦後かつてない所得格差の広がり、持続する金融・財政危機のほか、日本経済を底支えしてきた地域社会が極度に疲弊し、崩壊の淵にある。本シリーズの編者の1人で経済評論家の内橋克人が早くから警鐘を鳴らしてきた通り、その背後にあるのは、市場原理を偏重した「構造改革」にほかならない。
ラテン・アメリカ諸国では、同じく「失われた10年」と呼ばれた社会経済現象が一足早く1980年代にみられた。南米アルゼンチンの場合は90年代にも「もうひとつの失われた10年」を経験した。前後一連の社会経済病理も含めて、これらもまた日本と同様、市場原理偏重の「構造改革」によってもたらされた。これは批判的なラテン・アメリカ地域研究者の常識である。とすれば、日本はラテン・アメリカの先行経験から反面教師的な教訓を得られるのではないか。またラテン・アメリカの政府、企業、市民社会が「失われた10年」の罠から逃れようと編み出してきた知恵からも、積極的な示唆を読み取れるに違いない。このような直感の下、内橋克人とわれわれラテン・アメリカ地域研究者が共同研究を重ねて編んだのが本シリーズ〈「失われた10年」を超えて——ラテン・アメリカの教訓〉全3巻である。
第1巻『ラテン・アメリカは警告する——「構造改革」日本の未来』は、シリーズ全体の総論となる。そこでの主な論点は、日本の「アルゼンチン化」の危険性、日本とラテン・アメリカにおける財政危機・金融危機・積立年金問題・雇用柔軟化の類似性、それにポスト「構造改革」政策(チリ、ブラジル)や「共生セクター」(中小企業の産業集積、メキシコの先住民協同組合、アルゼンチンやエクアドルの地域通貨など)の成果と限界、さらにはそれらが日本に与える示唆である。
なお、続刊の第2巻と第3巻では、地域社会の再生に果たすべき中小企業と市民社会の役割を考える。
シリーズ続刊案内
- 第2巻 田中祐二・小池洋一 編
地域経済はよみがえる
ラテン・アメリカの産業集積にどう学ぶか 来春刊 - 第3巻 篠田武司・宇佐見耕一 編
不安社会を突破する
ラテン・アメリカにおける地域再生と市民社会 来春刊
*各280頁/予価2625円