脱・新自由主義を掲げ続ける「いのち」と「生」のための経済学。震災後に開始した問題提起のブログ『共生経済学を創発する』を再編集。

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99%のための経済学【教養編】
タイトル
サブタイトル
誰もが共生できる社会へ
著者・編者・訳者
佐野誠著
発行年月日
2012年 12月 5日
定価
1,980円
ISBN
ISBN978-4-7948-0920-9 
判型
四六判並製
頁数
216ページ

著者・編者・訳者紹介

著者-佐野誠(さの・まこと)
1960年生まれ。経済学者。博士(経済学)。
新潟大学経済学部教授。
主著に『開発のレギュラシオン』、『現代経済学』(岩波書店;共編著)、Beyond Market-Driven Development(Routledge;共著)、『「もうひとつの失われた10年」を超えて』など。

内 容

 内橋克人さんとの共編著『ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の未来』(新評論、2005年)を世に送り出し、新自由主義の危険性を訴えてから7年。政権交代後の今も状況はほとんど変わっていない。従来の「構造改革」路線は改めて更新され(TPP協議への参加方針/税と社会保障の一体改革)、大震災と原発事故の被害も十分には補償されないまま、相変わらず自己責任と自由放任の冷酷な政治がまかりとおっている。「格差社会」の構造は手つかずのままであり、象徴的に「1%」と呼ばれる一握りの富裕層が法外な利益を得ている反面、「99%」、つまり圧倒的多数の庶民の暮らし向きはさらに悪化してきた。自殺や孤独死も高止まりしたままだ。文字通り共生を阻み、多様な生の可能性を狭める仕組みが、現在も持続しているのである。
 いま必要とされているのは、この悪しき構造を真正面から暴き出し、その変革の方向性を提起する「99%のための経済学」にほかならない。それはまた人々の共生とその質的向上、そして人間と環境の調和を目指す、「共生経済学」でもなければならない―こう見定めて2011年秋、ブログ『共生経済学を創発する』を始め、グローバルな視点から、経済とその関連領域について様々な問題提起を重ねてきた。
 TPPや一体改革などの批判は当然だ。ほかには「新自由主義サイクル」と「原発サイクル」の類似性、子どもも洗脳しかねないネオリベラル・マスメディアの批判、独裁的な「おまかせ民主主義」の批判、アルゼンチンに学ぶ「非正規雇用を減らす方法」、共生経済社会への転換構想、債務危機の下で広がるギリシャの共生経済(地域通貨)など。このうち「おまかせ民主主義」批判は、すでに脱原発運動の一部でも利用されている。以上を編集し、体系的にまとめ直したのが本書である。ブログと同じく口語体であり、予備知識がなくても読み進められるようになっている。近刊『99%のための共生経済学 理論編』と併せてご一読頂ければ幸いである。
(著者 佐野 誠)


同シリーズ近刊
『99%のための経済学 理論編』(佐野誠著)……2013年3月刊行予定

好評既刊書

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