大都市と地方圏における成長至上主義とは異質な取組みに注目し、向かうべき地域産業の新たなステージを描き出す。
シリーズ全10巻完結!
ネット書店で注文
大都市と地方圏における成長至上主義とは異質な取組みに注目し、向かうべき地域産業の新たなステージを描き出す。
シリーズ全10巻完結!
- 関連ワード
- 地域産業の「現場」を行く 第10集 誇りと希望と勇気の30話 新たなステージに向かう
- タイトル
- サブタイトル
- 新たなステージに向かう
- 著者・編者・訳者
- 関満博著
- 発行年月日
- 2017年 12月 6日
- 定価
- 2,640円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1082-3 C3033
- 判型
- 四六判並製
- 頁数
- 240ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-関満博(せき・みつひろ)
1948年生まれ。
明星大学経済学部教授、一橋大学名誉教授。博士(経済学)。
東日本各地の震災復興・産業再生にアドバイザーとして携わる。
本シリーズや代表作『東日本大震災と地域産業復興 Ⅰ~Ⅴ』のほか、『北海道/地域産業と中小企業の未来』など編著書多数。
1948年生まれ。
明星大学経済学部教授、一橋大学名誉教授。博士(経済学)。
東日本各地の震災復興・産業再生にアドバイザーとして携わる。
本シリーズや代表作『東日本大震災と地域産業復興 Ⅰ~Ⅴ』のほか、『北海道/地域産業と中小企業の未来』など編著書多数。
内容
90年代初めのバブル経済崩壊以来、「失われた20年」といわれてきたが、すでに25年を重ねている。この間、08年頃をピークに人口減少過程に入り込んできた。
これからの日本の産業経済の基本的構造条件は、国内的には「成熟化、人口減少、少子高齢化」となり、対外的には東アジア諸国地域の経済発展による「グローバル化」ということになろう。そして、そのような枠組みの中で、国内的には新たな産業構造、地域産業社会の形成が求められている。
振り返ると、プラザ合意の85年前後を頂点に、日本の事業所数が減少過程に入っていった。以来、現在までの30年で製造業の事業所数は半分程度にまで減少している。国・地域が活性化していくためには新規創業が欠かせないのだが、退出する事業所ばかりが多い。
この成熟化、人口減少、少子高齢化はこれまでとは全く異なった構造条件であり、その新たな構造条件を受け止めた新たな事業創出が期待される。それは従来のような基礎的消費に対応する大規模生産といったものではなく、身の回りの社会課題を解決し、新たな豊かさを生み出していく事業であろう。
そのような視点から、本書では、大きな3つの動きに注目してみた。第一は、大都市と地方圏における新たな取組みである。そこには、従来型の成長至上主義とは異質な豊かさが拡がっていた。第二は、主として地方圏の取組みだが、地域資源に注目し、そこに新たな付加価値を付けようする取組みである。第三に、モノづくり産業の基礎となる中小機械金属関連中小企業の新たな取組みがある。
これらのいずれも、この四半世紀の大きな構造変化を受け止め、試行錯誤を重ねながら、新たな世界を見出しているようにみえた。大都市から地方圏まで、私たちの地域産業は、明らかに次のステージに向かっているのであった。
(せき・みつひろ)
これからの日本の産業経済の基本的構造条件は、国内的には「成熟化、人口減少、少子高齢化」となり、対外的には東アジア諸国地域の経済発展による「グローバル化」ということになろう。そして、そのような枠組みの中で、国内的には新たな産業構造、地域産業社会の形成が求められている。
振り返ると、プラザ合意の85年前後を頂点に、日本の事業所数が減少過程に入っていった。以来、現在までの30年で製造業の事業所数は半分程度にまで減少している。国・地域が活性化していくためには新規創業が欠かせないのだが、退出する事業所ばかりが多い。
この成熟化、人口減少、少子高齢化はこれまでとは全く異なった構造条件であり、その新たな構造条件を受け止めた新たな事業創出が期待される。それは従来のような基礎的消費に対応する大規模生産といったものではなく、身の回りの社会課題を解決し、新たな豊かさを生み出していく事業であろう。
そのような視点から、本書では、大きな3つの動きに注目してみた。第一は、大都市と地方圏における新たな取組みである。そこには、従来型の成長至上主義とは異質な豊かさが拡がっていた。第二は、主として地方圏の取組みだが、地域資源に注目し、そこに新たな付加価値を付けようする取組みである。第三に、モノづくり産業の基礎となる中小機械金属関連中小企業の新たな取組みがある。
これらのいずれも、この四半世紀の大きな構造変化を受け止め、試行錯誤を重ねながら、新たな世界を見出しているようにみえた。大都市から地方圏まで、私たちの地域産業は、明らかに次のステージに向かっているのであった。
(せき・みつひろ)