〈ギヴァー4部作〉ついに完結!
変化の契機となった赤ん坊とその母の旅路の果て、善と悪の最後のたたかいがはじまる。
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〈ギヴァー4部作〉ついに完結!
変化の契機となった赤ん坊とその母の旅路の果て、善と悪の最後のたたかいがはじまる。
- 関連ワード
- ある子ども
- タイトル
- 著者・編者・訳者
- ロイス・ローリー著
- 島津やよい訳
- 発行年月日
- 2018年 4月 19日
- 定価
- 2,640円
- ISBN
- ISBN978-4-7948-1089-2 C0097
- 判型
- 四六判並製
- 頁数
- 384ページ
著者・編者・訳者紹介
著者-Lois LOWRY(ロイス・ローリー)
アメリカの児童文学作家。
1937年ハワイに生まれる。
11~13歳までの少女時代を東京・代々木で過ごす。
ニューベリー賞受賞作『ふたりの星』(1989)と『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(1993)のほか著書多数。
なかでも本作を含む〈ギヴァー4部作〉は世界中にファンをもつ代表作。
*シリーズ第1作『ギヴァー 記憶を注ぐ者』
シリーズ第2作『ギャザリング・ブルー 青を蒐(あつ)める者』
シリーズ第3作『メッセンジャー 緑の森の使者』
*全世界のファン待望の映画、全米公開!
◎監督:フィリップ・ノイス(『ボーン・コレクター』)
◎キャスト:ジェフ・ブリッジス、メリル・ストリープ、ブレントン・スウェイツ、テイラー・スウィフト他
著者L. ローリー(写真©Neil Giordano)
アメリカの児童文学作家。
1937年ハワイに生まれる。
11~13歳までの少女時代を東京・代々木で過ごす。
ニューベリー賞受賞作『ふたりの星』(1989)と『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(1993)のほか著書多数。
なかでも本作を含む〈ギヴァー4部作〉は世界中にファンをもつ代表作。
*シリーズ第1作『ギヴァー 記憶を注ぐ者』
シリーズ第2作『ギャザリング・ブルー 青を蒐(あつ)める者』
シリーズ第3作『メッセンジャー 緑の森の使者』
*全世界のファン待望の映画、全米公開!
◎監督:フィリップ・ノイス(『ボーン・コレクター』)
◎キャスト:ジェフ・ブリッジス、メリル・ストリープ、ブレントン・スウェイツ、テイラー・スウィフト他
著者L. ローリー(写真©Neil Giordano)
内容
『ギヴァー』ファンのみなさま、長らくお待たせいたしました。シリーズ4部作の完結編(原題:SON)をお届けいたします。
物語は、ひとりの男児の誕生からはじまります。彼を産んだのは、14歳の少女クレア。12歳で〈出産母〉を任命された彼女の、これが初産でした。〈コミュニティ〉では、すべての新生児は厳重な管理下におかれ、やがて「適正な養親」の手にわたります。母子は産後すぐにひきはなされ、二度と会うことはできません。クレアも掟にしたがい、わが子をあきらめようとします。しかし、どうしてもあきらめきれません。とかくするうち、男児は「社会不適合」の烙印をおされ、処刑が確定します。
この赤ん坊がだれか、みなさますでにおわかりでしょう。そう、ジョナスの運命を変えたゲイブです。つまり本作は、ゲイブとその母の物語です。
もちろん、作者は寓話の達人ですから、それだけで話はおわりません。前作『メッセンジャー』の世界に暗い影をおとした〈トレード・マーケット〉の謎が、クレアたち母子をまきこみつつ、善と悪の最終決戦へと発展していきます。そこにジョナス、そして第2作の主人公キラ、前作で非業の死をとげたマティもからんできます。
そして、これもいつもどおり、スリリングな展開のあわいにいくつもの問いが埋めこまれています。まつろわぬ自然の象徴としての赤ん坊。代理出産やデザイナーベイビーをめぐる生命倫理の問題。当然視されている「取引」や「交換」という行為の陥穽。「力」「旅」「記憶」の意味……シリーズ全作にいえることですが、今回も思索と対話をうながす教養小説としての醍醐味に溢れています。
はたしてクレアとゲイブは、母子として再会することができるのか。それを阻もうとする邪悪な「力」に、ジョナスたちはどのように立ちむかうのか。現代の『オデュッセイア』ともいうべき壮大な物語の環が、おどろくべき仕方で、しずかに閉じてゆく瞬間をお見逃しなく。
(しまづ・やよい)
物語は、ひとりの男児の誕生からはじまります。彼を産んだのは、14歳の少女クレア。12歳で〈出産母〉を任命された彼女の、これが初産でした。〈コミュニティ〉では、すべての新生児は厳重な管理下におかれ、やがて「適正な養親」の手にわたります。母子は産後すぐにひきはなされ、二度と会うことはできません。クレアも掟にしたがい、わが子をあきらめようとします。しかし、どうしてもあきらめきれません。とかくするうち、男児は「社会不適合」の烙印をおされ、処刑が確定します。
この赤ん坊がだれか、みなさますでにおわかりでしょう。そう、ジョナスの運命を変えたゲイブです。つまり本作は、ゲイブとその母の物語です。
もちろん、作者は寓話の達人ですから、それだけで話はおわりません。前作『メッセンジャー』の世界に暗い影をおとした〈トレード・マーケット〉の謎が、クレアたち母子をまきこみつつ、善と悪の最終決戦へと発展していきます。そこにジョナス、そして第2作の主人公キラ、前作で非業の死をとげたマティもからんできます。
そして、これもいつもどおり、スリリングな展開のあわいにいくつもの問いが埋めこまれています。まつろわぬ自然の象徴としての赤ん坊。代理出産やデザイナーベイビーをめぐる生命倫理の問題。当然視されている「取引」や「交換」という行為の陥穽。「力」「旅」「記憶」の意味……シリーズ全作にいえることですが、今回も思索と対話をうながす教養小説としての醍醐味に溢れています。
はたしてクレアとゲイブは、母子として再会することができるのか。それを阻もうとする邪悪な「力」に、ジョナスたちはどのように立ちむかうのか。現代の『オデュッセイア』ともいうべき壮大な物語の環が、おどろくべき仕方で、しずかに閉じてゆく瞬間をお見逃しなく。
(しまづ・やよい)