市民参加の歴史、国内初のアウティング禁止を含む画期的条例、DV被害者への支援体制…市民の声がまちを変える実例を描く

978-4-7948-1282-7

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市民参加の歴史、国内初のアウティング禁止を含む画期的条例、DV被害者への支援体制…市民の声がまちを変える実例を描く

関連ワード
ジェンダー平等のまちをつくる 東京都国立市の挑戦
タイトル
サブタイトル
東京都国立市の挑戦
著者・編者・訳者
太田美幸編著
発行年月日
2025年 2月 10日
定価
2,420円
ISBN
ISBN978-4-7948-1282-7 C0036
判型
四六判並製
頁数
198ページ

著者・編者・訳者紹介

編著者-太田美幸(おおた・みゆき)
一橋大学大学院社会学研究科教授。
専門は教育社会学、成人教育、比較発達社会史。
著書『スヴェンスカ・ヘムの女性たち』、共編著『【増補改訂版】ノンフォーマル教育の可能性』(以上新評論)、『ヨーロッパ近代教育の葛藤』(東信堂)、訳書ニューマン&スヴェンソン『性的虐待を受けた少年たち』(新評論)など。

内容

 東京都国立市は人口76,000人弱の小さな自治体である。市が設置する「くにたち男女平等参画ステーション・パラソル」は、全国の自治体に配置されているジェンダー関連施策の担当職員の間ではわりと知られた存在で、これまでに何度もメディアで紹介されてきた。
 注目を集める理由の一つは、2018年に国立市が施行した「国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」にある。性的指向および性自認などの公表(カミングアウト)をするかしないかの選択は個人の権利であることを明記し、当事者の同意を得ずにそれを第三者に暴露する「アウティング」を国内では初めて明確に禁止したもので、「パラソル」はこの条例にもとづく取り組みを推進するための拠点として開設された。
 加えて、この条例にはもう一つの特徴がある。DV(ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)の被害者支援を重視していることだ。国立市を拠点に活動する「NPO法人くにたち夢ファームJikka(ジッカ)」は、DVなどの困難な問題を抱える女性たちに制度の壁を越えた支援を届けることを目指し、2015年に設立された。行政との密な連携によるその先駆的な取り組みが徐々に知られるようになり、今では全国各地から支援を求める女性が訪れる。Jikkaとパラソルの活動は、現在の国立市のジェンダー平等施策を支える柱となっている。
 こうした国立市の取り組みは、市民から寄せられる声によって形づくられたものだ。その背景には、「市民参加のまちづくり」の長い歴史がある。市民の声は、どのように行政を動かし、まちを変えていくのか。そこに反映される市民と行政の関係とは、どのようなものなのか。ジェンダー平等に向けた国立市の挑戦は、まさにこうした問いに対する一つの答えを示している。
 市民の声がジェンダー平等のまちをつくる。本書が描くのは、現在もなお進行中のその実例である。(おおた・みゆき)

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